Bリーグ初の欧州遠征に挑む琉球の選手、スタッフが決意…岸本隆一「責任感と向上心を持って戦いたい」
琉球ゴールデンキングスが「沖縄をもっと元気に」という理念を掲げ、バスケットボールの普及に取り組んできた経緯。
プロバスケットの普及に向けた苦労や挑戦、地域密着、ファンとの一体感を築いてきた歴史。
今回のヨーロッパ遠征に向けた様々な施策や挑戦姿勢、岸本選手の意気込み。
「沖縄をもっと元気に」を活動理念に2006年に産声をあげた琉球ゴールデンキングスが、今度は世界へ打って出る!
沖縄県はもともとアメリカ文化の影響を受けていたこともありバスケ熱の高い地域でしたが、人気があるのは高校生や中学生の試合だったこともあり、お金を払ってバスケを見る文化はないに等しい状況でした。そのため、お金を払ってバスケを見ることはもちろん、前売り券を買う習慣もまだないプロバスケ元年のころ、今では信じられない方も多いと思いますが、試合当日の入場口で、無料で試合が見られると勘違いされた方から「おまえらバスケットでお金とるんか!」とスタッフが怒鳴られていた時代もありました。
このように当時のクラブ運営は決して順風満帆ではありませんでしたが、いろんな人たちがつないできた「地域密着」、「ファンと一体となったカルチャー創り」、Bリーグ開幕以降は、沖縄アリーナ完成、Bリーグ制覇、東アジアスーパーリーグ参戦と、「沖縄をもっと元気に」という理念を追求し続けてきた結果が形になって証明され、その凄さを目の当たりにしています。
そんなキングスが次なる挑戦として掲げたのが「沖縄を世界へ」のスローガン。すでにいくつかの施策がスタートしていますが、今回、キングスがBリーグ初のヨーロッパ遠征を実現させます。日本のプロバスケ史上、クラブ単位でのヨーロッパでの国際大会に参戦した記録がなく、その先鞭をキングスがつけることになったのです。今回、現地で歴史あるクラブに挑む想いをスタッフ、選手に聞きました。
――Bリーグ全体から注目を集める欧州遠征への意気込みを聞かせてください。
岸本 日本のクラブを代表としての戦いになります。相手はイタリア、セルビアというオリンピックでメダルを獲得した経験のある強国を代表するようなクラブなだけに、私たちはアジアの代表として臨む気持ちで挑みたいと思います。もちろん遊びに行くわけではないので、責任感と向上心を持って戦いたいですし、ファンの期待が高まるような試合をしてきたいです。
――試合会場は沖縄と同じように島となるイタリアのシチリア島にあり、岸本選手といえば、島での3ポイントシュートは得意ですね?
岸本 自分から“ココナッツスリー”と言ったことは一度もありませんが、決めたときは何かキャッチフレーズになるようなプレーをイタリアで出せたらいいと思います。島でのスリーですか。もちろん、お任せください!
――「地中海でもディープスリー!」ですね!? 岸本選手の活躍、期待しています。