井上尚弥の「背中」が大橋ジムを強くする 武居、平岡、拓真、浩樹らを圧倒的練習量でけん引

AI要約

4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥が、元IBF世界同級王者TJ・ドヘニーを7回TKOで破り、防衛に成功。世界戦勝利数、連続KO勝利記録を更新。

井上が同門メンバーをけん引し、フィジカル強化の3日間合宿を主導。後輩選手も燃える一体感を実感。

井上は飲食店での選手ミーティングを通じ、後進への意識を高め、ジム内の団結を図っている。

井上尚弥の「背中」が大橋ジムを強くする 武居、平岡、拓真、浩樹らを圧倒的練習量でけん引

<プロボクシング:4団体統一スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦>◇3日◇東京・有明アリーナ

 4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)が記録ずくめの防衛(WBAスーパー、IBF2度目、WBC、WBO3度目)に成功した。元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(37=アイルランド)の挑戦を受け、7回0分16秒、TKO勝利。世界戦勝利数で日本人最多&現役最多、世界戦連続KO勝利記録も「9」に伸ばし、同級最強を証明した。

 <ちょっといい話>

 井上が同門メンバーたちを「背中」でけん引している。7月中旬、フィジカル強化を目的とした3日間のジム内集中合宿を実施。これまでWBA世界バンタム級王者の弟拓真(28)、元日本、WBOアジア・パシフィック・スーパーライト級王者のいとこ浩樹(32)ら「チーム井上」で取り組んでいたが、今回は井上の呼びかけで、武居由樹、平岡アンディが初参加した。

 心拍機能を上げる激しいフィジカルメニューを全員で消化。井上自ら率先してサンドバッグ連打を続け、過呼吸気味に倒れこむ。その姿に後輩たちが燃えないはずがない。所属ジムの大橋秀行会長(59)は「やっぱり『井上尚弥がこれだけやっているのだから』と後輩選手は燃えるよね。それがジム内に広がる。今、大橋ジムの選手の練習量は一番多いと言えるよ」と強調した。武居が「緊張感があって(井上に)引っ張ってもらっている」と言えば、平岡も「みんなでやるという一体感が出て良かった」と明かす。

 井上は数年前から飲食店で同門のプロ全員を集めた選手ミーティングを開催し、雰囲気を盛り上げてきた。同会長によると、費用は井上が全額を支払っているという。「後進に伝えていこうという意識を感じる。これがジムの中で『継承』されていくはず」。井上の高いレベルのリーダーシップ力が所属ジムも勢いづけている。【藤中栄二】