【セントウルS・先手必勝】揃いに揃った外差しの〝お膳立て〟 9歳馬トゥラヴェスーラが突き抜ける!

AI要約

秋競馬が開幕し、GⅡセントウルSが中京競馬場で行われる。古豪トゥラヴェスーラが中京でのレースを歓迎し、好条件が整う。今年はイレギュラーな状況が大いに味方し、差し馬向きのトラックバイアスが期待される。

前走の北九州記念では末脚不発に終わるも、パドックでの気配や体調などに影響があった可能性が指摘されている。しかし、最近の追い切りでは良好な状態を示しており、能力発揮に不安はないと見られている。

トゥラヴェスーラは9歳以上の馬による平地重賞Vを目指し、過去にエポワスを除いて快挙がない状況である。史上5頭目の可能性が高いが、まさに“初老ジャパン”として存在感を発揮している。

【セントウルS・先手必勝】揃いに揃った外差しの〝お膳立て〟 9歳馬トゥラヴェスーラが突き抜ける!

[GⅡセントウルステークス=2024年9月8日(日曜)3歳上、中京競馬場・芝1200メートル]

 さぁ、今週からいよいよ秋競馬がスタートする。GⅠスプリンターズSの前哨戦であるGⅡセントウルS(8日=芝1200メートル)はいつもの阪神ではなく中京で施行。コース相性のいい古豪トゥラヴェスーラにとってウエルカムな舞台変更だが、好条件はそれだけにとどまらない。天候、58年ぶりのイレギュラー開催…。ふんだんに用意されたベストな環境が9歳馬の外差しをエスコートする。

「舞台としては言うことなしだと思います」

 中京で行われるセントウルSを歓迎するトゥラヴェスーラの西岡助手。同馬は21~23年の高松宮記念で4、4、3着と常に上位争い。その人気が16、7、13番というから、いずれも驚きの激走だった。中京の電撃戦を得意としているのは明らかで、例年の阪神から中京への変更は大きな追い風だ。

 さらに今年は変則日程の恩恵も。8月の西日本主場といえば小倉が定番だが、今年は1966年以来の中京開催だった。脚質的に前が残る開幕週では分が悪いトゥラヴェスーラにとって、連続中京開催は大歓迎で「開催が進んで荒れてきた馬場でやれるのは好材料」と西岡助手も色気を見せる。

 加えて先週の台風の影響、今週までAコース開催という状況を加味すれば…。例年以上に差し馬向きのトラックバイアスになる可能性は大。様々なイレギュラーな状況が大いに味方になるとなれば、一発を期待せずにはいられない。

 前走の北九州記念は末脚不発に終わる13着ごう沈。開幕週で勝ち馬が逃げ切る展開だったことを差し引いても、いつもの伸びが見られなかったことが少々気になる人もいるかもしれないが…。「パドックで馬っ気がきつかったことも影響したのかも」と西岡助手。年齢的な衰えを敗因に挙げるのはまだ早い。

 8月28日の1週前追いでは栗東坂路4ハロン52・5ー13・0秒とやや上がりを要したが、「相変わらず毛ヅヤは良く、体調も良さそう。この馬のパターン通りしっかりやれましたし、当週はサラッとやれば十分でしょう」(同助手)。本数を乗り込んで数字以上の仕上がりを見せており、能力発揮にも不安はない。

 9歳以上の馬による平地重賞Vとなれば、17年のGⅢキーンランドCを制したエポワス以来7年ぶり、史上5頭目の快挙(86年以降)。今夏、パリ五輪の総合馬術団体で銅メダルを獲得した“初老ジャパン”のように、名古屋のスプリント戦で大ベテランが存在感を示してみせる。