山口尚秀が2連覇逃し銅メダル 100M平泳ぎ世界記録保持者がまさか

AI要約

競泳の男子100メートル平泳ぎのSB14決勝で、山口尚秀選手は銅メダルに終わり、2連覇を逃した。

山口選手は、過去に世界記録を更新し、東京大会でも金メダルを獲得。しかし、予選で苦しんだ後に準決勝に進出した。

自閉症と診断された幼少期から、山口選手は努力を惜しまず、修行を積んできた。自らを磨き続け、パラアスリートの第一人者を目指す決意を示す。

 ◇パリ・パラリンピック第6日 競泳(2024年9月2日 ラデファンスアリーナ)

 競泳の男子100メートル平泳ぎ(知的障がいSB14)決勝が2日に行われ、世界記録保持者で21年東京大会覇者の山口尚秀(23=四国ガス)は銅メダルに終わり、2連覇を逃した。

 初出場の東京大会では4度目の世界新記録となる1分3秒77で金メダル。22、23年と世界選手権を制し、昨年3月には世界記録をさらに更新する1分2秒75をマークした。1メートル87の長身を生かしたダイナミックな泳ぎは健在で、今大会も本命として臨んだ。だが、この日午前の予選は後半に伸びを欠いて1分5秒16の2組2着、全体4番目で決勝へ進んでいた。

 3歳で知的障がいを伴う自閉症と診断された。一つのことを根気強く続けられる半面、嫌なことからは逃避しがち。東京パラ後も記録が出ずに、メンタルが不安定な時期があった。それでも、映像を見て理想のフォームを追い求めるなど研究心は抜群。パラスポーツの環境が整う英国へ単身で武者修行に出向いたり、パリ五輪女子代表の鈴木聡美(33=ミキハウス)と練習をともにして刺激を受けてきた。

 「尚秀」という名前は、生まれた00年にシドニー五輪女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子さんと、当時巨人で活躍していた松井秀喜さんから取ったもの。2人は競技にひたむきに取り組み、人柄でも人を引きつけてきた。2連覇は逃したが、今後も自らを磨き続け、パラアスリートの第一人者を目指していく。