特別な鍛錬重ねたリンと「マレーシアに住んでいたから大丈夫」のバンバー。キャデラック、酷暑のオースティンで『完璧』目指す/WEC第6戦

AI要約

キャデラックのドライバー、アレックス・リンとアール・バンバーは、COTAでのWEC世界耐久選手権レースに向けて体力的な準備をしている。

高温とGフォースが試練になる中、リンは特別なトレーニングを行い、バンバーは暑さには慣れていると述べた。

キャデラックは大きな結果を期待しており、週末全体をまとめることでシーズン終盤の目標を掲げている。

特別な鍛錬重ねたリンと「マレーシアに住んでいたから大丈夫」のバンバー。キャデラック、酷暑のオースティンで『完璧』目指す/WEC第6戦

 キャデラックのドライバー、アレックス・リンとアール・バンバーは、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)の高温とGフォースがふたりを限界まで追い込むため、体力的に「非常に厳しい」WEC世界耐久選手権第6戦『ローンスター・ル・マン』に備えている。

 リンとバンバーは、シーズン開幕戦のカタール1812kmとル・マン24時間レースを除き、2024年のWEC世界耐久選手権のレースで2名編成で2号車キャデラックVシリーズ.Rをドライブしてきた。

 しかし、今週末のCOTAでのシーズン6戦目は、サーキットの特性上、高速コーナーが多く、気温も30度を超えるため、体力的にはるかに厳しい試練となることは間違いない。

 両ドライバーは、体力的な要求に対処できると自信を見せたが、目の前に待ち受ける課題の大きさについては、誤解することなく認識している。

「間違いなく、非常に厳しいものになるだろう」とバンバーはSportscar365に語った。

「暑くなる。先月(7月)にテストをしたときには良い準備ができたが、自分たちがどんな状況に陥るかは分かっている。日曜日は長くて暑い一日になるだろう」

 リンは、COTAだけでなく、他のドライバーひとりだけとクルマをシェアするという課題に備えるために、今年は特別なトレーニングを行っていることを明らかにした。

「正直に言うと、昨年のバーレーンを2名体制で走ると分かってから、ずっとトレーニングをしてきた」とリン。

「冬の間、これらのレースを念頭に置いてやってきたんだ。これらのイベントに備えるために、多くの特別な努力をした。カーディオ・フィットとウエイトトレーニングを組み合わせ、クルマを扱えるほど強くなり、Gフォースのある暑さの中で2時間、限界まで耐えられるほど心肺機能を整えた」

「レースが終わる頃には、とても疲れているだろう。でも、結局のところ、成功のために毎周120%の力を発揮する準備はできている」

 対照的にバンバーは、COTAに向けて特別な準備をしてこなかったと語った。

「先週は体調が悪かったので、特別なトレーニングをするのではなく、回復できるかどうかを確かめていた」とバンバー。

「でも僕は長年マレーシアに住んでいたので、暑さは気にならないよ! だから、大丈夫だと思う」

 キャデラックのスポーツカープログラムマネージャー、ローラ・ウォントロップ・クラウザーはSportscar365に対し、GMブランドには特定のリザーブドライバーはいないが、緊急時には幅広いドライバーの中からひとりを呼び寄せることができると述べている。

「一般的に、我々にはドライバーのフリートがあり、それはこのレースだけでなく、どのレースにも当てはまる」と彼女は語った。

「我々はここには物理的に誰かを置いているわけではないが、とりわけ米国にいるときは飛行機ですぐ来ることができるので、必要に応じてここに連れてくることは可能だ」

 バンバーは、キャデラックのホームレースが米国ブランドにとって画期的な結果を出すチャンスになることを期待している。今季の2号車の最高成績は、アレックス・パロウがレギュラーのふたりに加わったル・マンでの7位だった。

「僕らは大きな結果の扉を叩いてきた」とバンバーは言う。

「僕らは常に4位から7位の範囲にいて、うまくいけば表彰台を狙えるかもしれない。ここでも同じだと言えるだろう。だけど、フェラーリは非常に強力だ」

 リンは次のように付け加えた。

「現実には、さまざまな理由で、僕らが望んでいたように週末全体をまとめることができていない。だけど僕らには速いマシンと強力なパッケージがあると思う。それを結果につなげられていないことは残念だ」

「僕らが誇れる完璧なレースウイークエンドとレースデーを迎えること。それがシーズン終盤での目標だ」

[オートスポーツweb 2024年09月01日]