慶大・清原正吾がプロ投手から豪快弾 NPB挑戦への決断は慎重に進めるもプロ志望届提出有力か

AI要約

慶大の清原正吾内野手がプロ野球の本拠地で初の本塁打を放つ。

清原の成長と将来の可能性に注目が集まる。

プロ志望届提出の可能性が高まり、秋のリーグ戦で更なる活躍が期待される。

慶大・清原正吾がプロ投手から豪快弾 NPB挑戦への決断は慎重に進めるもプロ志望届提出有力か

<北海道ベースボールウイーク:東京6大学野球連盟選抜5-1日本ハム2軍>◇31日◇エスコンフィールド

 これがホームランアーチストのDNAだ! 慶大・清原正吾内野手(4年=慶応)がプロ野球の本拠地で、プロ野球の投手から“初アーチ”を放った。エスコンフィールドでの日本ハム2軍戦で、東京6大学野球選抜の「4番一塁」で出場。6回、育成左腕の山本晃の内角直球を左翼への本塁打にした。プロ通算525本塁打の清原和博氏(57)の長男は、進路も注目の的。最終確定は9月14日開幕の秋季リーグ戦開幕以降になりそうだが、プロ志望届を提出する可能性は高い。夢に弾みをつけた。

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 清原正吾がホームランを打った。大学から硬式野球を始め、神宮球場ではまだ0本。それなのに、大勢のプロ野球ファンもいる中、球の見え方も不慣れな球場で“1号”を打ってしまった。「はい、打ちました。思い出に残るいい1本です」。打った瞬間の気持ちは「行ったんちゃうかな~」という確信弾。97メートル地点にそびえる高さ7メートルのフェンスを優に越えていった。

 6回、左腕山本晃の内角直球をさばいた。苦手の内角球に対し、この夏に徹底して身につけたインサイドアウトの振りで応じた。この上ない成長の跡を示し、6大学選抜ベンチへ「見たか~!!」と右手を突き上げた。「シンプルにうれしいし気持ちいい。いい経験になりました」。父が500回以上経験した格別の時間。「みんなにも『持ってるね』って言われました。そこは父親のDNAなんですかね」と少し照れる。

 星が強い。華がすごい。とはいえ、巧打と華麗な遊撃守備でドラフト1位指名が確定的な明大・宗山塁内野手(4年=広陵)とは違い、実績はまだ“ほぼゼロ”だ。大風呂敷を広げるには早い。NPBのドラフト会議は10・24。さて野球ファンが注目する進路は。

 「本当にそこは慎重に考えたいなと思ってて。とりあえず秋のシーズンに全てをかけたいです。タイミングが来た時の自分の気持ちと実績と、いろいろ考えながら」

 選択肢を広げる意味でもプロ志望届の提出は有力ながら、最終決断は秋のリーグ戦の最中になる見込みだ。プロが本拠地に構えるエスコンフィールドで放ったこの日の1発&中身ある4打席は、間違いなくでっかい名刺代わりに。「野球を続けるにあたって、結果が出ることはうれしいです。どの選択肢であろうとここで結果を出せたことはプラスと思います」。この秋の球界の、主役の1人だ。【金子真仁】

 ○…清原に本塁打を浴びた日本ハム山本晃は、不思議な縁を感じていた。「お父さんのファンで。5歳ぐらいかな、最初に買ってもらったユニホームが清原選手のものだった。その息子さんに打たれるなんて」と驚いた。コースは決して甘くなかった。「インコースの真っすぐで(捕手の)進藤の要求通り。でも当たった瞬間いったなと。次もし対戦する機会があったら、もっと内角を厳しく攻めたい」と振り返った。

 ◇中日八木スカウト(現役時代は左投手だった立場で、清原の本塁打について)「インコースをうまく抜きましたよね。やってきたことが実力になっていると思います。あのコースは本当は詰まるんですけど、すごくうまかったです」

 ◆清原和博と北海道 札幌円山15試合、釧路2試合、札幌ドーム16試合の合計33試合に出場し、本塁打は札幌円山で8本、札幌ドームで1本。札幌円山での本塁打は王(巨人)の10本に次ぎ、柴田(巨人)衣笠(広島)水谷(阪急)藤井(オリックス)と並んで2番目に多い。札幌円山では97~00年に4戦連発し、00年7月11日広島戦で通算400本塁打を達成した。

 ◆清原正吾(きよはら・しょうご)2002年(平14)8月23日生まれ、東京都出身。少年野球時代に東京ドームでプレー経験あり。慶応普通部(中学)ではバレーボールに、慶応高(神奈川)時代はアメリカンフットボールに挑戦し、硬式野球は大学から始めた。春季リーグでは一塁以外に二塁、外野での出場も。今年の春季リーグ戦では一塁手でベストナイン。186センチ、90キロ。右投げ右打ち。