アルボン、マグヌッセンの“チームプレーヤー”である点を認めるもオランダでの走りを非難。一方で取り締まりの不十分さも指摘

AI要約

ハースF1のケビン・マグヌッセンがチームプレーヤーとしての防御戦術を巡り、複数のライバルから批判を浴びた。

アルボンやガスリーは、マグヌッセンの過激な防御戦術が危険な状況を招いたと主張している。

マグヌッセンは他のレースでも同様の批判を受けており、中団の厳しい戦いが背景にあると指摘されている。

アルボン、マグヌッセンの“チームプレーヤー”である点を認めるもオランダでの走りを非難。一方で取り締まりの不十分さも指摘

 ハースF1のケビン・マグヌッセンのチームプレーヤーとしての防御戦術が、ふたたび数名のライバルからの批判を浴びている。アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は、F1第15戦オランダGPで数台のマシンが熾烈なバトルを繰り広げるなか、マグヌッセンが「一線を越えた」と非難した。

 アルボンとピエール・ガスリー(ウイリアムズ)によると、初めてのことではないが、マグヌッセンがチームメイトのニコ・ヒュルケンベルグのポジションを守ろうとしたことが危険な状況につながったので、批判が起きたのだという。

 ハースは、ヒュルケンベルグを支援するため、ピットレーンからスタートしたマグヌッセンを戦略的に活用し、アルボン、ガスリー、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソとランス・ストロールといった、より速いマシンを抑え込ませた。ドライバー集団がマグヌッセンに追いつくと、マグヌッセンが攻撃的な戦術を使ってドライバーたちにスピードを落とさせたため、ターン1でボトルネックが生じた。特にアルボンは、チーム無線で声高にマグヌッセンの戦術を「非常に危険」だと訴えた。

 マグヌッセンが他のドライバーたちから特に非難されたのは、今回が初めてではない。今年初めにはジェッダとマイアミで防御的なドライビング戦術を展開し、ライバルたちは不満を抱いた。

「ケビンは信じられないほどのチームプレーヤーであり、僕はその点を全面的に評価している」とアルボンはコメントした。

「それほどしっかり取り締まりが行われているとは思えないし、マシンを渋滞させる際に何が正しいのかという点については、多少曖昧な部分がある」

「今回の場合、僕にとってはかなり微妙だった。ターン7、ターン8、最終コーナーなど、高速のコーナーがいくつかあったが、彼はその真ん中でブレーキをかけていた! だから、全開で曲がってから急ブレーキをかけて避けなければならない。それは一線を少し超えていると思う。でもそれは曖昧な部分だ」

「また、問題の一部は、実際にはそれほど頻繁に取り締まりが行われていないことだと思う」

「僕はレース中、モナコでの(角田)裕毅と同じような状況に陥ったので文句を言ったが、彼らは大丈夫だと感じていた。問題は、ある時点でクラッシュが発生することだ」

 ガスリーもアルボンの意見に同調し、マグヌッセンの戦術に対する自身の不満を語った。

「ターン14で減速したり、ターン12で1速に入れたりする人は見たことがない」とガスリーは語り、異常なドライビング行為を強調した。

「アレックスは彼にすごく近づいたと思う。ほぼフルスロットルになるべきときに、(マグヌッセンが)1速にシフトダウンしたので、彼はターン12のミッドコーナーでロックアップしてしまった」

 アルボンは明らかに危険な戦略に不満を抱いていたが、マグヌッセンがなぜそのような戦術に頼るのかということも認識していた。中団の戦いが熾烈であるため、すべてのポイントが重要になるからだ。

「すべては下位チームから起きている」とアルボンは説明した。

「10位や9位は僕たちにとって非常に貴重だ。それはごく普通のことであり、今ではどのチームもそうしている。レースでは、ひとりのドライバーが犠牲を払わなければならない。それが現実であり、多くのレースが今このようになっている。その一部なんだ」

 アルボンはまた、上位10位の選手だけにポイントが与えられる現在のポイントシステムが、こうした必死の防御戦術を助長していると指摘した。

「当然だけど、ポイントシステムがもう少し違っていて、誰にとってももう少し範囲が広がるのなら、このようなことは起こらないと思う。でも、これがゲームなんだ」

[オートスポーツweb 2024年08月29日]