【広島】クラブ記録タイ30年ぶり6連勝「目の前の試合に全力で戦って勝つだけ」先制弾の中野就斗
サンフレッチェ広島がクラブ記録に並ぶ6連勝を達成し、30年ぶりのJ1同一シーズンでの勝利を挙げた。
新潟に2ポイント差で迫り、残り10試合でリーグ制覇を目指す広島。若手DF中野の活躍も光っている。
バクスター監督時代以来の連勝記録樹立を果たした広島は、今季の成功へ向けて進化を続けている。
<明治安田J1:広島2-0柏>◇25日◇第28節◇Eピース
2位サンフレッチェ広島がクラブ記録に並ぶ6連勝を飾った。
ホーム柏レイソル戦は2-0の完勝で、J1の同一シーズンでは優勝した94年第1ステージ以来30年ぶり。2年目DF中野就斗(24)のスーパーゴールで先制するなど、新潟とドローに終わった首位町田に、勝ち点2差まで肉薄した。残り10試合で、逆転での9年ぶり4度目のリーグ制覇を目指す。
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広島の勢いが止まらない。象徴は3バックの右、桐蔭横浜大から入団2年目のDF中野だ。前半38分、FW加藤が右サイドのMF新井に展開すると、最終ラインから中野が全力疾走。まるで短距離走に臨むスプリンターのように前線へ。
新井の背後からのパスが自らの背中に当たり、そのこぼれ球を右足で蹴り込んだ。「目の前に転がってきて、中を見たらフリーだった。狙い通りに蹴れてよかった」と中野。スキッベ監督は「3バックの1人なのに、あそこにいたのが素晴らしい」と絶賛。日本代表森保監督も視察し、日の丸入りも夢ではない。
1年目の昨季は1得点だったが、今季は早くも4点目。「(同じ3バックの荒木)隼人君を上回りました」と、3点で並んでいた元日本代表の先輩を追い抜いてニヤリ。すぐに「目の前の試合に全力で戦って勝つだけ」と気を引き締めた。
6連勝はバクスター監督時代の94年第1ステージ優勝以来。今季は3月に首位に立ったが、6月に9位まで後退。11得点のエース大橋が今夏に欧州移籍しても、中野の成長で見劣りはしない。新本拠地Eピース誕生の1年目に、8強まで進んだ天皇杯とルヴァン杯を含めた今季3冠も夢ではない。