桑木志帆、大混戦制しツアー2勝目 6月初V以降断ってきた大好きなビール「今日は飲めますね」

AI要約

21歳の桑木志帆が、国内女子ゴルフツアーのニトリレディースで通算12アンダーの276で優勝し、2勝目を挙げた。

精神面の成長がプロ初Vからわずか2カ月足らずでの2勝目につながっており、メンタルコーチの指導や自己に集中する能力が功を奏している。

桑木は全英女子オープンの出場オファーを断り、国内ツアー出場を選んで優勝。メルセデスランキングでも自己最高の5位に浮上した。

桑木志帆、大混戦制しツアー2勝目 6月初V以降断ってきた大好きなビール「今日は飲めますね」

<国内女子ゴルフツアー:ニトリレディース>◇第3日◇24日◇北海道・桂GC(6651ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

 首位から出た桑木志帆(21=大和ハウス工業)が通算12アンダーの276で、6月の資生堂レディースに続くツアー2勝目を挙げた。4バーディー、2ボギーの70と2つスコアを伸ばし、2位の鶴岡果恋、ペ・ソンウを1打差で振り切った。出場を見送った全英女子オープンの裏で開催された大会を制し、メルセデスランキングは5位に浮上した。

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 首位から3打差以内に9人がひしめいた大混戦を、桑木が制した。トップで迎えた13番パー4。この日初めてのボギーをたたいた一方で、同組の2位鶴岡はパーをセーブ。しかし、1打差に迫られても、あわてなかった。「揺るがず、とらわれない」「今に集中」。この2つの言葉を頭で繰り返し、平常心を保ち続けた。

 その後の16番をボギーとして1度は並ばれたが、続く17番パー4でしっかりバウンスバックした。9番アイアンで放った残り130ヤードの第2打は、ピン横2メートルにピタリ。バーディーにつなげたこのショットが、最終的に優勝の行方を決めた。6月の初優勝以降、スタイルも気にして「次に優勝するまで」と断ってきた大好きなビール。「今日は飲めますね」と、顔をほころばせた。

 精神面の成長が、プロ初Vからわずか2カ月足らずでつかんだ2勝目の土台にある。21年6月のプロテストに一発合格も、昨季までは未勝利。今年から3カ月に1回、メンタルコーチの指導を受け精神面の安定を図ってきた。同組の選手が良いショットを見せれば素直に拍手し、すぐに切り替えて自分のプレーに集中する。「それが大分できるようになって、動揺することがなくなった」という。

 今大会の直前に全英女子オープンの出場オファーが届いたが、体調とプレーの調子を鑑みて欠場を決め、国内ツアー出場を選んだ。見事優勝を飾り、メルセデスランキングは自己最高の5位に浮上。秋の国内メジャーシーズンに弾みをつけた。「海外は、(国内)メジャーを勝って、3年シードを取ってからいきます」。全英女子組不在の中での優勝も手応えは十分。「今に集中」する21歳が、勢いに乗っている。【中島洋尚】