F1第15戦木曜会見:キャリアハイライトは「初勝利と初タイトル」母国で節目の200戦目を迎えたフェルスタッペン

AI要約

マックス・フェルスタッペンがF1デビュー200戦目を迎えたオランダGP。26歳でこの記録を達成した彼は、今後も200戦を戦うつもりはないと語る。

フェルスタッペンは初勝利と初タイトル獲得のレースをハイライトとして挙げ、F1キャリアで最も特別な瞬間だと語る。

ジョージ・ラッセルは失格を乗り越え、素晴らしいレースを経験するも、チャンピオン争いにはまだ到達していないと語る。

F1第15戦木曜会見:キャリアハイライトは「初勝利と初タイトル」母国で節目の200戦目を迎えたフェルスタッペン

 夏休み明けのF1第15戦オランダGP。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)にとってはこの母国グランプリが、F1デビュー200戦目の記念すべきレースとなった。

Q:あなたにとっては200戦目のF1レース。まだ26歳ですから、あと200レースもF1で戦い続けると考えているのでは?

フェルスタッペン:全然ないね。

Q:本当ですか?

フェルスタッペン:確かにこの200戦は、素晴らしい日々だった。そして同時にあっという間だったね。200戦も戦って来たなんて実感は、全然ない。今は1年に20戦以上のレースをしているからなんだろうね。

Q:これまでの199戦から、ハイライトをひとつ挙げていただけますか?

フェルスタッペン:初勝利のレースは欠かせないね。いうまでもなく、胸にこみあげるものがあった。子供の頃から、F1で表彰台に上がることを夢見ていたからね。あと1戦加えさせてもらえるなら、初タイトルを獲得したレースだ。後から振り返っても、この2戦が僕のF1キャリアでのハイライトになると思う。

 フェルスタッペンのF1デビューは2015年。17歳の時だった。あれから9年半が経ち、今週末に200戦を達成する。しかしフェルスタッペン本人は「あと200戦やるつもりはない」と言明した。これまでも「40歳までF1をやるつもりはない」と言ってきたが、改めてその思いを確認した形だ。

 そして今季のフェルスタッペンとレッドブルは、昨年までの絶対的な優位から一転、マクラーレンやメルセデス、フェラーリから激しい追い上げを受け、苦しい展開のレースが続いている。今季残り10戦で、そんな劣勢を跳ね返すことができるのか。

Q:ここザントフォールトではこれまで無敗、ポールポジションから3勝を挙げて来ました。しかし今年は、最も厳しいレースになるのでは?

フェルスタッペン:今の状況を見ると、確かにそうだね。レースに勝つ力を備えたチームが、増えて来ているからね。だから今週末の僕は、「今年のオランダも勝てるだろう」と言うつもりはない。クリーンな週末を過ごし、クルマをもう少し理解して、そこから学びたいと思っているだけだ。もちろん夏休みの間に多くのことを分析し、今までとは少し違うアプローチも考えている。それがうまくいくかどうかは、この週末にわかるだろうね。

 フェルスタッペンを激しく追うひとりがジョージ・ラッセル(メルセデス)だ。しかし夏休み直前の第14戦ベルギーGPでは、チームメイトのルイス・ハミルトンとのバトルを制してトップチェッカーを受けたものの、最低重量を下回って失格。幻の優勝となってしまった。

Q:嫌な思い出についての質問で申し訳ないですが、なぜあのようなことが起こったのか、そしてチームは同じことが二度と起こらないよう十分理解していると確信していますか?

ラッセル:あの失格は、明らかに僕たちが必要十分な仕事をしていなかったからだった。僕自身、あそこまで重量が減るとは思ってなかった。タイヤの減りも予想以上だった。プランクも思った以上に磨耗していたしね。そんな3つか4つの要因がすべて重なって、(最低重量の)限界を超えてしまったんだ。

Q:皮肉なことに、あのレースはあなたにとって最高のレースのひとつだったのでは?

ラッセル:間違いなくね。スパはすごくユニークなサーキットだし、ルイスとのバトルの間もコース脇の巨大モニターでふたりの展開を眺めていたよ。チャールズ(シャルル・ルクレール/フェラーリ)もルイスの後ろにいて、1周あたりコンマ6、7秒縮めていた。そして僕にはまだ、12秒ほどのリードがあった。とにかく素晴らしいレースだった。チェッカー後、チームと一緒に祝い、表彰台に立ったときのあの気持ちは、誰も僕から奪うことはできない。もし今年チャンピオン争いに参加していたら、失った25ポイントはとてつもない打撃だっただろう。でも僕らは残念ながら、まだそのレベルじゃない。

Q:最近の10レースについて話しましょう。メルセデスは過去6レースで3回の優勝を含む5回の表彰台を獲得しています。

ラッセル:ここ数戦で大幅に改善しているのは間違いない。でも一方で過去4レースでの3勝は、実際のパフォーマンスを完全には反映していないと思う。本当に強いのは、マクラーレンだよ。そしてレッドブルも少し浮き沈みがあるとはいえ、競争力があることは間違いない。でも今の大接戦は、F3やF2でのジュニア時代を思い出させてくれるね。

 勝利がふいになった直後は、大きな怒りや絶望がラッセルを襲ったことは想像に難くない。それでもしっかりその原因を見直し、激しいバトルを繰り広げ、打ち勝てた思い出を楽しんでいる。この失格が、ラッセルをさらに成長させたのかもしれない。

[オートスポーツweb 2024年08月23日]