準優勝・関東第一、エース坂井遼は18イニング2/3を自責点ゼロ「悔いはない」全試合救援【甲子園】

AI要約

関東第一は延長10回タイブレークで敗れ、準優勝となった。

坂井遼投手は最高の仲間と舞台で力を出し切り、悔いはないと語った。

母への想いを胸に試合に臨んだ坂井は、タイブレーク時にマウンドを譲った。

準優勝・関東第一、エース坂井遼は18イニング2/3を自責点ゼロ「悔いはない」全試合救援【甲子園】

◇23日 全国高校野球選手権決勝 京都国際2―1関東第一(甲子園)=延長10回タイブレーク

 13年ぶりに東京に深紅の大優勝旗を持ち帰ることはできなかった。関東第一(東東京)は京都国際に延長10回タイブレークで敗れて準優勝。左腕の畠中鉄心投手(3年)が6回まで投げて、エースの坂井遼投手(3年)につないで9回までスコアボードにゼロを並べたが、京都国際のダブル左腕を打ち崩せなかった。

 この夏の甲子園で初失点したものの、5試合に救援して18イニング2/3を自責点なしの2失点で終えた坂井は「最高の仲間と、最高の舞台で試合ができて、最高の結果で終われなかったのは悔しいが、力を出し切れたので悔いはないです」と胸を張った。先発した畠中とともに守り勝つ野球を支えてきたが、疲れもあって踏ん張りきれなかった。

 決勝マウンドでは、挫折しそうになった中学時代に正しく導いてくれた母・一恵さんの顔が浮かんだ。「ここまで成長させてくれた母に優勝を見せたかった…」。タイブレークの10回、先頭の代打・西村にバスターで左翼前へ運ばれて無死満塁とされ、押し出しの四球を出して、マウンドを大後に譲った。中学卒業時に「絶対に甲子園に連れていくから」と手紙をもらった母は、春夏の甲子園に出場して決勝まで来た息子の成長した姿をアルプス席から目に焼き付けた。

 初戦の北陸(福井)戦こそ6点差で勝ったが、3回戦からは1点差勝ちの連続で、坂井は全試合でリリーフした。米沢貴光監督は「坂井は見えない疲れもあったと思う。3回が限度かなという中で、畠中もナイスピッチングで6回まで投げてくれた」と予定通りの継投を強調。9回には、2四死球と敵失で初めて走者を三塁に進めたが追い込めず、ゲームプランに狂いが生じた。

 昨秋から打撃が課題だったチームは、ロースコアの戦い方を練習して、大舞台で結実したが、何かが足りなかった。「相手の方が上だった。京都国際の選手は日本一をすごく意識していたと思う。それがウチに足りなかったピースかもしれない」と米沢監督。来春センバツに向けた秋はすぐに始まる。