深夜に及ぶ試合削減に向けて「全米オープンテニス」がナイトセッションの新方針発表!<SMASH>

AI要約

全米オープンが近年試合終了時刻が深夜になる現状を解決するための対応策を発表。

主な対策は試合を23時15分までに開始できない場合、別コートへ移動させること。

新方針の効果がどう出るか注目されている。

深夜に及ぶ試合削減に向けて「全米オープンテニス」がナイトセッションの新方針発表!<SMASH>

 約1週間後に開幕を迎える今季最後の四大大会「全米オープン」(8月26日~9月8日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)が、近年試合終了時刻が遅くなっている現状を打開するための対応策を発表した。海外メディア『Tennis Now』が報じている。

 近年の全米は試合終了時刻が深夜未明になってしまうケースが増加しつつある。とりわけそうした事例は19時から2試合が行なわれるセンターコートのナイトセッションで起こる傾向が強い。

 例えば22年大会では、ヤニック・シナー(イタリア/現1位)とカルロス・アルカラス(スペイン/現3位)による男子シングルス準々決勝は壮絶な打ち合いとなり、5時間を超える激闘の末にアルカラスが勝利。現地22時ごろに始まったこの試合が終了したのは翌日の午前3時前だった。

 また昨年大会では、20時55分頃に始まったシナーとアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/現4位)の男子シングルス4回戦が午前1時40分に終了。なおこの試合は約5間半の死闘の末にズベレフがシナーに勝利した。

 無論試合終了が深夜帯になってしまうと、選手には多大な負担がかかってしまう。なぜなら選手たちはオンコートインタビューや記者会見などの仕事もこなさなければならず、試合後すぐに宿舎に帰れるわけではないからだ。

 

 今年1月にATP(男子プロテニス協会)とWTA(女子テニス協会)は、大会責任者の承認がない限り、23時以降に試合を行なうことを禁止する新たな措置を導入。これはナイトセッションを可能であれば18時30分ごろに、遅くとも19時半までには開始するというものだ。

 しかし四大大会は全米を含めITF(国際テニス連盟)が統括しているため、両テニス団体のガイドラインを強制することはできない。『Tennis Now』によれば今年の大会もセンターコートのナイトセッションの第1試合は例年通り19時に開始されるとのこと。

 一方で先日トーナメントディレクターのステイシー・アラスター氏や全米テニス協会(USTA)の間で行なわれたオンライン会議では、試合のスケジュールをより柔軟に動かせるよう以下のような発表がなされたという。

「仮にアーサー・アッシュ・スタジアム(センターコート)での2試合目、またはルイ・アームストロング・スタジアム(2番目に大きいコート)での最後の試合が23時15分までに開始されていない場合、審判員には試合を別コートへ移動させる権限が与えられます。

 この方針は(各国の)放送チームの準備が整っているか、ボールパーソンが揃っているかなど、状況次第で変わりますが、そういった(別コートへの移動の)可能性があることを定義します。選手たちは、もしそのような状況に至った場合には、審判員がそうした決定を下すことを理解しています」

 果たして上記の新方針は良い効果をもたらしてくれるのか、その動向に注目したい。

文●中村光佑