右手を骨折…来季のモトGP昇格の小椋藍、念願の初タイトル獲得へ“痛い”欠場【WGP】

AI要約

小椋藍が右手を骨折してオーストリアGPを欠場するアクシデントが発生。

小椋は今季10戦全てで入賞し、ノーポイントの欠場がタイトル争いに影響を与える可能性がある。

小椋は次戦のアラゴンGPに出場できることを目指し、モトGP昇格に向けて前向きに取り組む姿勢を見せる。

右手を骨折…来季のモトGP昇格の小椋藍、念願の初タイトル獲得へ“痛い”欠場【WGP】

WGP 第11戦 オーストリアGP ロードレース世界選手権 予選 17日

レッドブルリンク ペン&カメラ=遠藤智

 モト2クラスをMSIから戦い、来季のモトGP昇格が発表されたばかりの小椋藍(23)に痛いアクシデントだ。練習走行2回目の転倒で右手を骨折し、今大会の欠場が決まった。前戦まで今季10戦全てで入賞し、ランキング2位。念願の初タイトル獲得へ、早期復帰が望まれる。モトGPでは、ランキング首位を走るプラマックのホルヘ・マルティン(26)がコースレコードを塗り替える速さを見せ、今季5回目(通算18回目)のポールポジション(PP)を獲得した。

 まさに好事魔多し-。小椋が思わぬ負傷欠場に見舞われた。

 この日の練習走行2回目のアタック中、2コーナーのシケイン出口で、横滑りしたタイヤの接地力が急激に戻って車体の挙動が乱れるハイサイドを喫して転倒し、右手の甲を2カ所骨折。決して「痛い」とは口にしなかったが、レーシングスーツを脱ぐにも四苦八苦していた。

 開幕前日に来季のモトGP昇格が発表され、初日はフリー走行も練習走行1回目も最速タイムを記録。「初日としては悪くなかった。来年のことが発表になって、今まで以上にパドックでいろいろ声をかけられる」とノリノリだったのだが…。

 今季は前戦まで10戦全てで入賞し、2勝を含む4回の表彰台を獲得。ランキング首位を走るチームメートのセルジオ・ガルシアに、18ポイント差の同2位につけていた。レッドブルリンクは昨季まで3年連続表彰台と大得意なだけに、今大会のノーポイントはタイトル争いを考えると非常に痛い。

 それでも、「次のアラゴンGP(スペイン、9月1日決勝)には出場できる」と気持ちを切り替えて前を向いた。サーキットに残って決勝を見届けた後は、自宅のあるスペイン・バルセロナではなく、チーム本拠地のマドリードで治療に当たるという。

 来季のモト2継続参戦も模索しながら、「今年以上に(チャンピオンの)可能性が見えるシーズンはあるのかなとも思った」とモトGP昇格を決断した経緯がある。モト2の王冠を手土産に最高峰クラスに挑むためにも、負傷欠場のピンチを乗り越えて次戦から巻き返す。