身長2メートルの 巨人・秋広は長距離打者ではない? 出場機会が激減の理由に「背番号55が重荷」説

AI要約

昨年活躍した身長2メートルの主砲、秋広優人が期待に応えられず2軍で苦しんでいる。

秋広の成績は低迷し、1軍では0本塁打、0打点と振るわない状況が続いている。

球団は主力選手の不調や故障で苦しむなか、若手や外国人選手が台頭する中で、秋広の成長が期待されるが、打者としての方向性が見誤られている可能性がある。

身長2メートルの 巨人・秋広は長距離打者ではない? 出場機会が激減の理由に「背番号55が重荷」説

 4年ぶりのリーグ制覇に向けて好位置につけている巨人。内外野ともレギュラーが固定できず、主力選手の不調や故障といった不測の事態でも、若手や途中加入の外国人選手ら全員野球で白星を積み重ねている。そんななか、出場機会が激減している成長株がいる。高卒4年目の秋広優人だ。昨年活躍した身長2メートルの“主砲”が、期待通りの成績が出せずに2軍でくすぶっている。秋広を知る人物からは「期待する方向が違う」といった声がある。

「昨年の方がはるかに良かったですよ。今年1軍に上がった時は打てる球が半速球だけの状態でした」

 秋広についてそう話すのは、他球団の打撃コーチだ。

■1軍では0本塁打、0打点

 昨年の秋広は121試合出場で打率.273、10本塁打、41打点。夏場以降に失速して規定打席にわずか4打席足りなかったが、球団史上初となる高卒3年目で4試合連続本塁打を放つなど飛躍の年になった。

 しかし、今季はオープン戦で結果を残せず開幕を2軍で迎えると、5月に1軍昇格したものの2週間もたたずに再び2軍へ。6月に再昇格したが打撃が物足りない。直球に差しこまれ、変化球に泳がされる。これまで1軍では17試合出場で打率.229、0本塁打、0打点の結果しか残せていない。6月中旬から2軍暮らしが続き、イースタンリーグで76試合出場し、打率.255、1本塁打、20打点。

 本来であれば、主軸を担ってほしい選手だ。首位争いをしているとはいえ、今季の巨人は出だしから戦力がそろっているわけではない。新加入のルーグネッド・オドーアが2軍での調整を拒否し、開幕直前に退団。外野は丸佳浩しか計算が立つ選手がおらず、内野では三塁にコンバートした坂本勇人の打撃の調子が上がらず、6月下旬にファームで再調整に。遊撃の門脇誠も打撃不振でスタメンを外れる機会が増えるようになった。

「阿部(慎之助)監督は頭を悩ませたと思います。若手を春先からスタメンで起用してきましたが、外野のレギュラーで一本立ちするまでには至らなかった。坂本、門脇の不振も誤算でした。深刻な得点力不足で、今年も厳しいかなと正直感じましたね」(スポーツ紙デスク)

 そうした状況でも、5月下旬に加入したエリエ・ヘルナンデスの活躍などでチームの状況も上向いた。そのヘルナンデスが8月11日の中日戦(バンテリン)で外野守備の際に左手首を骨折して長期離脱すると、この穴を埋める有力候補として強烈にアピールしたのは、ヘルナンデスに代わって1軍昇格した高卒2年目の浅野翔吾だった。レギュラーが固定できないため若手にチャンスが与えられる環境だが、秋広には声がかからなかった。

 秋広は外野の守備能力が高いわけではない。打撃で存在を証明しなければいけないが、懸念されるのは打者としての方向性を見誤ることだ。2022年から松井秀喜氏がつけていた背番号「55」を背負い、長距離砲としての期待が大きいが、松井氏や岡本和真のような生粋のスラッガーかというと疑問符が付く。

 アマチュア担当のスポーツ紙記者は、

「秋広が背番号55をつけるとなった時、松井さんとは打者のタイプが違うので重荷にならなければいいなという懸念は正直ありましたね」

 と話し、こう続けた。

「二松学舎大付属高の時に投手兼一塁手でしたが、プロのスカウトの評価が高かった点は打撃の柔らかさでした。難しい球を器用にさばいてヒットゾーンに飛ばす。打球の飛距離は凄かったですが、本質は中距離打者だと思います。身長2メートルの長身がフォーカスされますが、イコール長距離砲というわけではないです。駒田徳広さん(現巨人3軍監督)も身長191センチありますが、現役時代に20本塁打以上放ったシーズンは1年だけで、広角に安打を量産する打撃スタイルで2000安打をクリアしています」