「本当にやってしまった」小松大谷・西川大智、大阪桐蔭相手に『マダックス』 ピンチで相手応援に「うわ、すげー」の強心臓【甲子園】

AI要約

第106回全国高校野球選手権大会2回戦で小松大谷が大阪桐蔭を3−0で破り、西川大智投手が快投を見せる

西川投手は85点くらいの自己採点をし、甲子園優勝に向けた課題を意識する

西川投手は直球を武器に、工夫や笑顔で強力打線を相手に完封勝利を果たす

「本当にやってしまった」小松大谷・西川大智、大阪桐蔭相手に『マダックス』 ピンチで相手応援に「うわ、すげー」の強心臓【甲子園】

◇13日 第106回全国高校野球選手権大会2回戦 小松大谷(石川)3―0大阪桐蔭=甲子園

 「まだ実感が湧かない。本当にやってしまったな」

 小松大谷の西川大智投手(3年)は率直な思いを口にした。9イニングを投げて5安打無失点。球数はわずか92球・春夏通算9度の優勝を誇る名門を相手に100球未満で完封する「マダックス」を達成する快投を演じた。

 最後の打者を併殺で打ち取ると、金星に甲子園が沸いた。「球場の歓声がすごくて、鳥肌がすごかった。気持ち良かった」。それでも自己採点は「85点くらい」と厳しい。「無駄な球や四球があった。そういうところをつぶしていかない限り甲子園優勝にはつながらない」と前を向いた。

 最速138キロだが、「重力無視のストレート」と表現する回転数にこだわった沈まない直球が持ち味。これにスライダー、チェンジアップで組み立てる。さらには打者の様子を観察し、クイックでタイミングを外すなど工夫も欠かさない。派手さはないが、強力打線を手玉に取り、フライアウトの山を築いた。

 たびたび訪れたピンチでは、全国で何度も金賞を獲得している相手側スタンドの吹奏楽部の熱のこもった演奏が鳴り響いた。それでも「好きな曲ばっか演奏してくれるんで、『うわ、すげー』って思いながら投げました」という強心臓ぶり。マウンドでは終始笑顔を見せ、バックをもり立てた。

 春夏通じて甲子園初勝利を挙げた初戦の明豊(大分)に続いて常連校を撃破したが、「優勝には程遠い。課題をつぶして、歴史を塗り替えていきたい」。快進撃を続けるチームから目が離せない。