古江彩佳がメジャーV以来の実戦へ 戦いを前に“節目”の一戦を振り返ろう

AI要約

古江彩佳が今週から行われる「ISPS HANDA スコティッシュ女子オープン」に出場する。メジャー制覇以来の試合ということもあり、ビッグタイトルを手土産にどんなプレーを見せてくれるのか期待が膨らむなか、開幕を前に古江の軌跡をコメントとともに振り返ってみよう。

2019年の「富士通レディース」で史上7人目のアマチュア優勝を果たし、プロ転向を果たす。初勝利を挙げた2021年の「富士通レディース」や米ツアーでの活躍についても触れる。

2022年の「アムンディ・エビアン選手権」で日本人4人目となるメジャーVを達成し、自信をつけた古江彩佳。今後の活躍が期待される。

古江彩佳がメジャーV以来の実戦へ 戦いを前に“節目”の一戦を振り返ろう

古江彩佳が今週から行われる「ISPS HANDA スコティッシュ女子オープン」に出場する。メジャー制覇以来の試合ということもあり、ビッグタイトルを手土産にどんなプレーを見せてくれるのか期待が膨らむなか、開幕を前に古江の軌跡をコメントとともに振り返ってみよう。

■2019年「富士通レディース」

この年の春に兵庫県の滝川第二高を卒業した古江は、史上7人目(当時)のアマチュア優勝を成し遂げた。首位と1打差の2位からスタートした最終日に6バーディ(1ボギー)を奪い、トータル17アンダーで逆転。ラウンド中はクールな表情でプレーする姿が印象的だったが、「両親の支えのおかげで…」と家族への感謝を口にした瞬間、涙で声を震わせた。そしてこの勝利でプロ転向の資格を得て、すぐに権利を行使。ここから古江のプロゴルファー人生が始まっていく。

■20年「デサントレディース東海クラシック」

プロ転向後初となる勝利を挙げた。最終日を東浩子と並ぶトップで迎えると、試合は白熱の展開となる。同スコアで並んで迎えた最終ホール。2打目を「何をやっているんだと思っていました」とチャンスに付けられずピンまで約18メートル。対する東は7メートルと古江の内側につける。「タッチを合わせるだけ。パーで安泰かなと思いました」。だが、このパットが「カップに吸い込まれた」とまさかのバーディ。これで決まったかに思われたが、対する東も入れ返して19ホール目へと突入する。

「プロとしての初優勝を意識したのか、後半体が動かなくなってきた気がしました。守らなきゃいけないけど、攻めなきゃもいけないという気持ちが邪魔していたのだと思います」。プレーオフ1ホール目に「もうスコアは関係ない。いったもん勝ち、逃げたら負け」と攻める気持ちを取り戻し、「自分を褒めたい、完璧なショット」とピンに当たる会心のショットで30cmにピタリ。このパットを沈めて、勝利をもぎ取った。

■21年「富士通レディース」

この年の2月に大会を主催する富士通と所属契約を結び、初めてホステスプロとして出場。2日目を終えトータル12アンダーで、勝みなみと並ぶトップに立っていた。しかし最終ラウンドは降雨によるコースコンディション不良のため中止になった。そのため天候が落ち着いたころから、3ホールのストロークプレーによる“変則プレーオフ”が実施された。この結果、17番パー3でバーディを奪って競り勝った古江がこの年の初勝利。アマチュア優勝を遂げた思い出の大会で、所属選手としての役割を果たし、「今年は悪くないけど、うまくいかないときがあって…、それを思い出しました」と涙を見せた。

■21年「Qシリーズ」

来季の米国女子ツアー出場権をかけた最終予選会「Qシリーズ」で7位に入り、米ツアーメンバーの仲間入りを果たした。8日間に渡る長い戦いで一度もオーバーパーを打つことはなく、「いつもの試合という感じでできました」といつも通りのプレーで戦い抜いた。「日本で長く頑張るというのがあったけど、けっこう早く(タイミングが)来たのはうれしい」と想像より早く米ツアー参戦への切符を手にした。

■22年「ゲインブリッジLPGA at ボカ・リオ」

Qシリーズ(予選会)を突破し米ツアー本格参戦を果たした古江の初戦は、18位タイで終えた。「デビュー戦としてはまあまあかな(笑)。まだ経験が足りていないので、徐々に上げていければなと思う」と今後の米ツアーでの戦いを見据えた。さらに、「まだ空気に慣れていないというのはある。選手とか、周りのギャラリーさんだったり。もっと経験して慣れるよう頑張りたい」と今となっては初々しい古江の一面が垣間見えた。

■22年「トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープン」

「まさかルーキーイヤーで勝てるとは思っていなかったです」。米ツアー参戦1年目で見事な逆転勝利を決めた。4打差の9位タイから最終日をスタートさせると、怒とうのラッシュを見せることになる。「ショット、パットが本当によくて。いつミスするか考えたりしたけど、緊張することなく集中できたのがよかった」と10個のバーディを積み重ね、さらにボギーもなしと完璧な内容。「62」で上位を一気にまくり、米ツアー初優勝を挙げた。

■24年「アムンディ・エビアン選手権」

首位と1打差で出た古江は、最終日に1イーグル・6バーディ・2ボギーの「65」をマーク。トータル19アンダーで逆転し、日本勢4人目となるメジャーVの快挙達成となった。優勝後は「(代表入りできずに)悔しさはあった。同じフランスで優勝できたので、気持ちを晴らせたかなと思います」と話した古江。「パリ五輪」代表入り“圏内”の日本勢2番手で迎えた6月の「KPMG全米女子プロ選手権」。選考レースのラストマッチで2位に入った山下美夢有に逆転され、パリ行きを逃した悔しさをフランスの地で晴らした。

「こうやって優勝できたことがすごく自信になる。ひとつの壁を破れたのはとてもうれしい」。再び自信を手にした古江は、今週行われる「ISPS HANDA スコティッシュ女子オープン」でツアーに戻る。さらに一皮むけた古江の“旅”はまだまだ続いていく。