【J2「真夏の進化」】仙台、MF相良の強烈股抜き決勝点で勝ち切る FWエロンの働きで出る攻撃の変化(2)

AI要約

J2リーグ第26節でのベガルタ仙台対水戸ホーリーホックの試合結果を伝える。両チームの戦術や選手起用、得点シーンなどが紹介される。

相良選手のゴールで仙台が先制するも、後半に真瀬選手が退場。DFやMFの配置変更で守りを固めて、クリーンシートをキープして勝利を収める。

勝ち点を「44」とし、5位に浮上した仙台は、上位チームとの勝点差を縮めてJ1昇格に向けてプレッシャーをかけていく状況が説明される。

【J2「真夏の進化」】仙台、MF相良の強烈股抜き決勝点で勝ち切る FWエロンの働きで出る攻撃の変化(2)

 J2リーグが8月10、11日に第26節が開催され、6位のベガルタ仙台は10日、17位の水戸ホーリーホックと敵地で対戦した。

 森山佳郎監督が指揮する仙台は、前節のホームゲームで清水に2対1で競り勝った。ハイプレスを何度も繰り出し、試合のイニチアチブを握った。

 仙台はその前節と同じスタメンでスタートする。システムはいつもどおりの4-4-2で、3-4-2-1で構える相手とはミスマッチが生じる。攻撃でどうやってシステムのズレを生かし、守備ではどうやってズレを埋めるのかが、この試合のポイントだ。

 森直樹監督が指揮する水戸は、24節の横浜FC戦で2対2のドローゲームを演じ、前節は敵地でV・ファーレン長崎を2対1で下している。上位相手に勝点をつかんできた相手は、前線からのプレスで仙台の前進を阻んできた。仙台は自陣からビルドアップを試みつつ、ロングボールも使って局面の打開を試みる。

 32分、GK林彰洋のロングフィードをFWエロンが収め、MF中島元彦へあずけてゴール前へ出ていく。中島からのリターンパスを相手DFと競り合いながらキープすると、GKとの1対1へ持ち込んだ。

 エロンはこの日まで18試合に出場しているが、ゴールをあげることができていない。しかしながら、およそ4か月ぶりの先発となった前節、フィジカルの強さを生かして前線で起点となった。今節も同様な働きを見せていく。

 エロンを前線に置くことで、中島を2トップの一角ではなく2列目で起用できるようになったのはチームにとってメリットだ。背番号7のパスセンスを、これまで以上に生かすことができている。

 0対0で迎えた後半、森山監督が動く。右MF有田恵人を下げ、MF相良竜之介を送り出す。相良は2列目左サイドへ入り、中島が左から右へスライドした。

 この交代が試合を動かした。51分、敵陣で相手DFラインのパスをカットした相良が、ペナルティボックス内までドリブルで持ち込み、GKの股間を破る強烈な左足のシュートを決めたのだ。相良は4試合ぶりの得点で、通算では8ゴールとした。システムのミスマッチを突くよりも先に、「個」の力で取り切ったのだった。

 1対0とリードした仙台だが、67分にアクシデントに見舞われる。右SB真瀬拓海が、2枚目のイエローカードで退場となってしまうのだ。森山監督は直後にエロンを下げ、MF工藤蒼生を投入する。78分にもMF松下佳貴とFW梅木翼を送り込む。松下が左SBに入り、左SBの高田椋汰を右SBへ動かした。4-4-1のブロックを整える。

 さらに89分、MF郷家友太とDF小出悠太を交代させる。DF菅田真啓、DF實藤友紀に小出を加え、CBを3枚並べて逃げ切る。仙台は12試合ぶりのクリーンシートを達成し、1対0の勝利をつかんだのだった。

 仙台は勝点を「44」とし、順位をひとつ上げて5位に浮上した。J1自動昇格圏の首位の清水エスパルスとは勝点11差、2位の横浜FCとは勝点10差である。残り12試合で逆転するには、これ以上離されるわけにはいかない。自分たちが勝点を積み上げることで、仙台は上位陣にプレッシャーをかけていく。