【レスリング】銀メダル高谷大地「タスキつなげられた。高谷家の物語としては十分」兄惣亮に感謝

AI要約

高谷大地が男子フリースタイル74キロ級で銀メダルを獲得したが、決勝でラザムベク・ジャマロフにフォール負けを喫した。

高谷は大舞台であるオリンピック決勝に進出し、金メダルを狙うもフォール負けを経験し、泣き笑いする姿を見せた。

兄の高谷惣亮との五輪道における軌跡やサポート役での活躍を語り、兄弟の物語として成果を得たと誇らしげに語った。

【レスリング】銀メダル高谷大地「タスキつなげられた。高谷家の物語としては十分」兄惣亮に感謝

<パリオリンピック(五輪):レスリング>◇10日(日本時間11日)◇男子フリースタイル74キロ級決勝◇シャンドマルス・アリーナ

 【パリ=阿部健吾】高谷大地(29=自衛隊)は決勝でラザムベク・ジャマロフ(ウズベキスタン)にフォール負けし、銀メダルとなった。

 第1ピリオドに相手にクラッチを完璧に決められ、背後を取られ、エビ固めでフォール負け。1分12秒での敗戦に「高谷大地らしいですね、最後に締めが悪いって」と振り返った。笑っているのか、泣いているのか、その目には涙。「両方っす」と入り交じる感情を伝えた。

 試合直後は幾度かうなずいた。その気持ちを問われた。

 「最後、こういう大舞台、もうほんとにほんとに、僕なんかがこのオリンピックに出ること自体、本当にありえないことだと思ってて。そしたら、あれよあれよで、気づいたら決勝の舞台にいて。『俺なんかが金メダルなんか取れるわけないだろう』と思いながらやってて。少し欲も出てきて。『どうせならいいメダル取りたいな』て思ってたんですけど。そう簡単じゃないよなっていうのが正直な意見で。最後の最後フォール負けするあたり、俺らしい。俺よく頑張ったって…。」

 勝者をたたえて抱きかかえる姿に大きな拍手が送られた。

 兄の高谷惣亮(拓大職)が12年ロンドン、16年リオデジャネイロと3度挑戦して届かなかったメダル。兄が86キロ級で挑戦した東京五輪も含めて、兄のサポート役を務めててきた五輪で、自分が輝いた。「僕1人じゃ絶対かなえられなかったし、高谷惣亮という人間が3大会見せ続けてくれて、最後の最後を受け取ったタスキをメダルというものにつなげられた。高谷兄弟、高谷家の物語としては十分な成果を得られたんじゃないかな」と胸を張った。