【甲子園】60年ぶり勝利掛川西・大石卓哉監督「甲子園の日」に新たな歴史「上書きしてくれた」

AI要約

掛川西が60年ぶりの白星をつかみ、同校が感動の勝利を収めた。

大石監督やOBも駆けつけ、選手たちは力強い声援を受けて勝利を掴んだ。

8月10日は掛川西にとって新たな特別な日となり、26年ぶりの甲子園勝利に喜びを見せた。

【甲子園】60年ぶり勝利掛川西・大石卓哉監督「甲子園の日」に新たな歴史「上書きしてくれた」

<全国高校野球選手権:掛川西8-4日本航空>◇10日◇1回戦

 掛川西が60年ぶりの白星をつかんだ。同点の7回2死から5安打などで一挙4得点を奪って試合を決めた。勝利が決まった瞬間、大石卓哉監督(44)はスタンドを一度見つめ、松浦弘季部長(58)とがっちり握手を交わした。「ここまで来るのに、たくさんの方に支えてもらった。そういった思いも全て含めての勝利だと思っている」。涙をこらえながら、言葉を紡いだ。

 前回出場した98年には同校の主将を務め、遊撃のレギュラーとして聖地に立った。その時の初戦が、この日と同じ8月10日。前年優勝校の強豪・智弁和歌山に2-5で惜敗した。敗れはしたが、仲間内では毎年「甲子園の日」として酒を酌み交わす特別な日だった。

 そんな特別な日に迎えた初戦。地元からは在校生だけでなくOBも大挙駆けつけた。アルプス席のチケット2800席が完売し、外野席まであふれた大応援団から、力強い声援で後押しされた。大石監督は「あれだけの人がいて、同級生も来てくれて。本当に愛されてるチームなんだなと感じました」。先発全員の15安打で勝利をつかみ、スタンドへあいさつに駆け出す選手たちの背中を見つめて、さらに胸が熱くなった。

 自らの代で果たせなかった甲子園勝利から26年がたち、新たな歴史を刻んだ。「同じ日に上書きしてくれて、またちょっと違った特別な日に。学校としていい日になってくれたらいいなと思います」。目を赤めながら勝利の余韻に浸った。8月10日は“カケニシ”にとっての「甲子園の日」になった。【大島享也】

 ◆ブランク勝利 掛川西が夏は64年の対八代東(○6-2)以来となる勝利。夏の勝利ブランクでは09年関西学院(70年ぶり)、21年長崎商(69年ぶり)に次いで3番目の長さ。