須崎優衣、涙の銅 観客に両手を合わせ謝罪ポーズ 多くのメッセージに「一人の須崎優衣を応援してくれた」/レスリング

AI要約

須崎優衣は女子50キロ級で銅メダルを獲得し、3位決定戦での勝利を収めた。

試合後には申し訳ない気持ちを表し、感謝を示すポーズを取った。

須崎は敗戦を乗り越え、四年後の金メダルを目指す意気込みを見せた。

須崎優衣、涙の銅 観客に両手を合わせ謝罪ポーズ 多くのメッセージに「一人の須崎優衣を応援してくれた」/レスリング

パリ五輪第13日・レスリング(日本時間8日、シャンドマルス・アリーナ)女子50キロ級で2021年東京五輪金メダルの須崎優衣(25)=キッツ=は、3位決定戦でオクサナ・リバチ(27)=ウクライナ=にテクニカルスペリオリティー(TS)勝ちし、銅メダルを獲得した。2連覇は逃したが、表彰台を死守した。

圧勝で表彰台を死守したが、須崎は申し訳なさそうに両手を合わせ、謝罪のポーズを見せた。前日6日の1回戦で、インド選手にまさかの敗戦。目指していた金メダル、大会2連覇を逃した責任を、重く受け止めていた。

「勝って終われて必要最低限はできたけど、申し訳ない気持ち。最後はごめんなさいという気持ちと、感謝の気持ちだった」

銅メダルマッチは一方的な展開。第1ピリオドを8-0で折り返すと、第2ピリオドでも早々に2点を追加して3分17秒での決着だった。6月中旬に右ひじの靱帯(じんたい)を損傷。回復までに約1カ月かかり、実戦練習を積めないまま今大会に臨んでいたが、最後はけがを感じさせない戦いぶりだった。

1回戦敗退という思わぬ敗戦に「私の2つの夢(大会2連覇、ブリスベンでの4連覇)が同時に消えて、喪失感でいっぱいだった。それでも五輪チャンピオンの須崎優衣じゃないと価値がないと思っていたけど、一人の須崎優衣を応援してくれた」。試合後に多くの励ましのメッセージが届き、力になったことを感謝。気持ちを切り替え、試合に臨んでいた。

この日の午前7時半には、須崎を破ったインド選手が計量失格。須崎の敗者復活戦が急遽(きゅうきょ)3決に繰り上がったが、動じなかった。試合前には金メダルを獲得した日下から「先輩、絶対やってください」と声をかけられ、気合を入れ、冷静に熱く試合を迎えた。

「パリの銅メダルを、4年後、8年後の金メダルにつなげたい」

いつまでも負けを引きずることなく、りんとした表情で前を向いた。この悔しさは五輪でしか返せない。さらに強い須崎優衣になって、真夏の舞台に帰ってくる。(角かずみ)

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