【コラム】菊花賞馬ドゥレッツァが欧州の強敵に挑む 21日英G1「インターナショナルS」

AI要約

21日(水)に行われるG1英インターナショナルSの馬券発売が決まった。

1番人気はシティオブトロイ、2番人気はアンビエントフレンドリーとエコノミクス。

エコノミクスは父がナイトオブサンダー、春の成長を見守りながら夏の到来を待っていた。

 21日(水)に行われるG1英インターナショナルS(芝2050メートル、ヨーク)の馬券発売が決まりました。

 断然の1番人気になりそうなのは英ダービーと古馬混合のG1エクリプスSを連勝中のシティオブトロイ(牡3、父ジャスティファイ)。昨年の菊花賞馬ドゥレッツァ(牡4、尾関、父ドゥラメンテ)は全欧年度代表馬を視野に入れる強豪を相手にアウェーの戦いに挑みます。

 6日現在、現地ブックメーカーの前売りオッズはシティオブトロイが2倍前後。2番人気は英ダービーの2着馬アンビエントフレンドリー(牡3、父グレンイーグルス)と5月のG2ダンテSを制したエコノミクス(牡3、父ナイトオブサンダー)が7倍前後で並び、現地でまだ素性が明らかにされていないドゥレッツァは17倍から34倍とされています。

 対抗馬の1頭に挙げられているエコノミクスは一昨年の全欧年度代表馬バーイードを育てた英国のW・ハガス師の秘蔵っ子。昨年のデビュー戦は4着でしたが、今年は2戦2勝。英ダービーには登録がなく、陣営は追加登録料を支払って出走する手もありましたが、この馬の完成をまだ先と見たハガス師の判断で回避。春の成長を見守りながら夏の到来を待っていました。

 英インターナショナルSと同じ舞台で行われたダンテSでは約1000メートルも続く長い直線の半ばで先行勢をまとめて抜き去ると、2着したエインシャントウィズダム(2歳G1のフューチュリティT勝ち馬)に6馬身差をつけて完勝。このコースでの優勝経験は大きなアドバンテージとして捉えられています。

 父は英2000ギニーでキングマンを下すなど名マイラーとして鳴らしたナイトオブサンダーですが、エコノミクスの秘めるスタミナ、雄大な馬格、それに顔に流れる大流星は母の父で凱旋門賞馬パントレセレブルからそっくり譲り受けたもの。

 シティオブトロイとともに秋競馬を見据えたレースぶりに注目が集まりそうです。

 【ターフライター・奥野庸介】(ニッカンスポーツ・コム/極ウマコラム「ワールドホースレーシング」)