文田、得意技で王者撃破 再び決勝のマットへ―レスリング〔五輪〕

AI要約

文田が得意の反り投げで世界王者を破り、決勝進出を果たす。

準決勝では絶妙なタイミングで大技を決めて逆転し、リードを死守。

昨年の反省を活かし、右脇を締め続けてチャンスをつかみ、金メダルへの誓いを胸に決勝へ。

 相手の体をきれいに縦回転させ、マットにたたきつけた。

 文田が得意の反り投げで世界王者シャルシェンベコフを破り、2大会連続の決勝進出を決めた。

 0―1とリードされて迎えた準決勝の第2ピリオド。残り2分半を切ったところだった。相手が前に出てきたのに対し、「体が勝手に反応した」。絶妙なタイミングで大技を決めて4点を奪い逆転。その後は猛反撃をしのいで、1点のリードを死守した。

 昨年の世界選手権決勝では、王者の左差しからの投げに対応できず、苦杯をなめた。その反省を生かし、今回は徹底して右脇を締め続けた。相手が反対側の左脇を狙ってきた時がチャンス。「僕は左脇で抱えて投げるのが得意。対策をして上回ることができた」。1年前から膨らませていたというイメージを、大舞台で体現した。

 親友でもあるシャルシェンベコフに、金メダル獲得を誓った。3位決定戦に回ることが決まり、涙を流す背中に寄り添い、「2人で勝って、これが真の決勝だったと言えるようにしよう」。ライバルの思いも背負って、決勝のマットに立つ。