[MOM4806]神村学園MF大成健人(3年)_攻守に躍動の“左の翼”…「得点はこだわりたい」と試合の流れを決定付ける一発!!

AI要約

神村学園高のMF大成健人(3年)が準々決勝で活躍し、チームを勝利に導く。

彼は守備時にはサイドバックとサイドハーフの役割をこなし、攻撃時には攻撃の幅を広げるウイングバックとして攻撃に貢献する。

大成は高い走力とボール奪取能力で相手を圧倒し、攻守でチームを支える存在となっている。

[MOM4806]神村学園MF大成健人(3年)_攻守に躍動の“左の翼”…「得点はこだわりたい」と試合の流れを決定付ける一発!!

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]

[7.31 総体準々決勝 静岡学園高 0-3 神村学園高 JヴィレッジP1]

 守備時はサイドバックとサイドハーフの中間的な仕事をこなしつつ、攻撃になればウイングの位置まで上がり、攻撃の幅を取っていく。5レーン理論をベースにした攻撃戦術を採用している神村学園高(鹿児島)にあって、ウイングバックを務めるMF大成健人(3年)の役割は大きい。

 準々決勝の相手である静岡学園高はサイド攻撃に特長を持つチーム。スキルのある選手が連動して崩しにかかるサイドからの攻めに、ここまでの対戦相手はいずれも屈してきた。それだけに、「サイドの守りは試合のポイントだと思っていた」と有村圭一郎監督も振り返る。

 ただ、高校サッカー最高峰の技巧を持つ相手に対しても、神村イレブンは守備戦術をしっかり機能させる。「アスリート能力も高いし、(守備が)速い」と川口修監督も舌を巻いた守備の強度を発揮。ポイントだったサイド攻撃に対しても、素早いスライドから相手との距離感をしっかり詰めて球際バトルに持ち込んで奪ってみせた。

 象徴的なのは1-0で迎えた29分のプレーだ。スローインからグラウンダーのパスを繋いでサイドを変えてきた静岡学園に対し、大成は絞り目のポジションから相手との距離をグッと詰め、最後は寄せ切ってボールを奪い取る。これで相手のファウルを奪うと、クイックリスタートに合わせて、すぐさま前方のスペースへランニングを敢行。MF松下永遠(3年)のパスを受け、冷静な切り返しからボールを中へと運び出し、右足シュート。「得点はこだわりたい」と語るウイングバックが、見事に試合の流れを決定付けるゴールを奪ってみせた。

「いつもフィジカル(トレーニング)をやっているんで、走力には自信がある」と語るように、アップダウンも苦にすることなく、攻守でしっかりと活躍。「一人目が相手の自由を奪って、そのあとに二人目が行くイメージでやっていた」と言うように、相手の技巧を恐れることなく厳しくボールを奪いに行く姿勢も奏功した。

「ここで気を抜かず、チームとして日本一になるために集中して、チーム力も高めていきたい」

 夏の日本一へ気合いも十分。神村学園が誇る左の翼の羽ばたきは、そう簡単に止まりそうにない。

(取材・文 川端暁彦)