大久保嘉人以来の快挙なるか。稀代のアタッカーFW名和田我空が4戦8発で準決勝へ

AI要約

大久保嘉人を越えられるか――。神村学園のFW名和田我空(3年)が得点王&チーム初の日本一に向け、ゴールを量産している。

神村学園は17年ぶりのベスト4進出を果たし、名和田は得点ランキングトップを走っているが、準々決勝でのパフォーマンスに反省を述べた。

名和田は大久保の10ゴールを超えることに意欲を見せているが、個人よりもチームの勝利を優先し、自然体でプレーを続けることを掲げている。

大久保嘉人以来の快挙なるか。稀代のアタッカーFW名和田我空が4戦8発で準決勝へ

 大久保嘉人を越えられるか――。神村学園のFW名和田我空(3年)が得点王&チーム初の日本一に向け、ゴールを量産している。

 7月31日、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)の準々決勝が福島県のJヴィレッジで行われ、神村学園は静岡学園を3-0で下し、17年ぶりとなるベスト4進出が決定。U-18高円宮杯プレミアリーグ勢対決を制し、同校史上初の日本一まであと2勝としたなかで、悔しさを噛み締めていた選手がいる。それがエースの名和田だ。

 国内外のクラブから熱視線を注がれている背番号14は3回戦までに8ゴールを奪い、得点ランクトップを快走中。持ち前のテクニックと創造性に富んだプレー、そしてキックの質を武器に圧倒的な“個”と決定力を誇示していた。迎えた準々決勝は静岡学園が相手。今大会初のプレミアリーグ勢との対戦とあり、自らの力が本物であることを示すには最高の舞台でもあった。しかし――。

 「チームが勝つことが大事なので、結果は良かったけど、個人のプレーで見たときにあまり良いとは言えない。あんまりというか、全く良くなかったので、次に向けて気持ちを切り替えていきたいです」

 反省の弁を述べた名和田は静岡学園戦も3-4-2-1の2シャドーに入り、変幻自在の仕掛けでチャンスに関わりながら、積極的にゴールを狙った。だが、気負い過ぎたが故にゴールへの意識が強くなってしまう。有村圭一郎監督も「スタンドプレーが多かった」と注文をつけたように、周りを使って打開できる場面でも“個”で勝負するシーンが散見。肝心のフィニッシュもこの日は精度を欠いてしまう。前半11分に右クロスからゴールを狙うもGKに防がれ、14分の決定機もフイにした。後半に巡ってきたビックチャンスも相手DFにゴールライン上でクリアされ、この日は無得点。今大会初めてノーゴールに終わり、自分を戒めた。

 「点が取りたい、点が取りたいと思うと、やっぱり取れない。その気持ちは持つべきだけど、ゲームの中でプレーの選択を間違えてはいけない。今日はそれがあったので、反省ですね」

 二桁ゴールを達成できれば、2000年のインターハイで10ゴールを挙げて国見を優勝に導いた大久保氏以来の快挙となる。だが、気負うつもりはない。チームのために戦い、優勝に導く。その先に偉大なる先輩を超える結果が付いてくる。稀代のアタッカーは自然体を貫き、真夏のビッグトーナメントを戦い抜く。

(文・写真=松尾祐希)