「ここが一番の壁」なでしこジャパン主将熊谷紗希が語る、日本が乗り越えるべき難関とは?「超えた先の景色を…」【パリ五輪】

AI要約

なでしこジャパンはパリ五輪グループリーグ第3節でナイジェリアに3-1で勝利し、準々決勝進出を果たした。

キャプテン熊谷紗希は次戦に向けて精神面やチームの守備の重要性を語り、アメリカとの対戦に臨む覚悟を示している。

苦い経験を糧にし、なでしこジャパンは最大の壁である準々決勝を乗り越えて、前進したいとコメントしている。

「ここが一番の壁」なでしこジャパン主将熊谷紗希が語る、日本が乗り越えるべき難関とは?「超えた先の景色を…」【パリ五輪】

 なでしこジャパンは現地時間7月31日、パリ五輪(パリオリンピック)グループリーグ第3節でナイジェリア女子代表と対戦し、3-1で勝利してグループリーグ突破を決めた。グループステージ3試合連続フル出場を果たした、キャプテンの熊谷紗希が試合後のインタビューに応じている。

 試合冒頭から主導権を握ったなでしこジャパンは、22分に先制点を奪うことに成功。そして32分、前半アディショナルタイムと立て続けにゴールを奪っている。42分に失点してしまったものの、危なげない試合運びで見事グループリーグ突破を決めた。この結果、なでしこジャパンは準々決勝で、優勝候補の一角であるアメリカ女子代表と対戦する。

 強敵アメリカとの対戦が決まったことについて熊谷は、「もうひとつ、ツキというか運をやっぱ次に持ってこられたらなと思っていて。そのために自分たちのやるべきことをやるしかないんですけど、次は本当に」と前置きした上で、「勝つか負けるかで負けたら帰らなきゃいけないところにある。とにかく本当にもっと先に最後まで残れるように、とにかくやるだけかなと思う」と、早くも次戦への心構えを語っていた。

 アメリカ女子代表との対戦成績は、なでしこジャパンから見て1勝8分30敗。唯一の勝利は2012年3月に行われた親善試合に遡る。宿敵アメリカを意識しているかと聞かれた主将は、「そういう意味ではあんまり意識してないですけど。そうですね、日本が戦って嫌な相手ではあるけど、正直どこがきてもいやなんで。もうここからは本当にどこが来ても一緒というか。どこが来てもやるだけ」と、準々決勝に向けた心境を明かしている。

 前回大会の東京五輪、そして23年W杯と準々決勝で敗退が続いているなでしこ。苦い経験をした当事者でもある熊谷は、「とにかくできるだけ失点しないこと。自分たちの守備をまず整えること。やっぱり絶対チャンスは来るんで耐える時間が増えても。焦らないことがすごく大切」と述べた上で、日本を背負った主将として次のようなコメントを残していた。

「アメリカがどう戦ってくるか含めて、しっかり分析しながら。自分たちのやれることをやるしかないなと思っている。やっぱりここ(ベスト8)が自分たち日本、なでしこジャパンのここ最近の一番の大きな壁だと思っていて。ここを超えた先の景色をほんとに見せてあげたいし、見たいなって思っている。もう正直やるしかないし、なんとか運も味方につけながら、進んでいけたらなと思っている」

 3戦連続フル出場でコンディション面も心配な熊谷だが、「大丈夫以外の言葉に言いようがない」と言及し、「もうやるしかないんで大丈夫です。逆に休むよりもぼこぼこっていってもらった方が…嘘ですけど笑。気持ちと気合いでここからは本当に乗り越えるしかない」と、次戦に向けた抱負を語っていた。

(取材:加藤健一【フランス】、構成:編集部)