「限界まで追い詰められ仏国民の前で大恥をかくところだった」パリ五輪バスケで日本に金星献上寸前だった仏のメディアが“冷や汗”報道

AI要約

日本代表は延長戦の末に開催国フランス代表に敗れ、連敗を喫した。

試合の展開や歴史的な同点劇についてフランスメディアの反応を示す。

日本代表はフランスに挑戦し、悔しい敗北を受けて次戦に向けて闘志を燃やす。

「限界まで追い詰められ仏国民の前で大恥をかくところだった」パリ五輪バスケで日本に金星献上寸前だった仏のメディアが“冷や汗”報道

パリ五輪男子バスケットボールの1次リーグ第2戦が30日(日本時間31日)、リールのスタッド・ピエール・モーロワで行われ、グループBの日本代表は延長戦の末に開催国フランス代表に90-94で敗れ、世界王者ドイツ代表との初戦に続く連敗を喫した。最終クオーター序盤に八村塁(26、レイカーズ)を退場で欠きながらリードを奪った日本は、残り10秒でフランスの“4点プレー”の前に同点とされ、5分間の延長戦で力尽きて歴史的な金星を逃した。東京五輪銀メダリストを追いつめた日本を、仏メディアは「フランスへ常に恐怖を与えていた」と称えた。

 歴史的な金星を手にするまで、あと10秒だった。

 日本はフランスに4点リードしていた。

 フランスは最後の攻撃で、何がなんでも3ポイントシュートを決めて、そのうえでバスケットカウントを誘う大勝負に出た。そして、左奥に開いたマシュー・ストラゼル(22、モナコ)が体勢を崩しながら強引にシュートを放つ。

 直後に審判の笛が鳴り響いた。チェックにいった河村勇輝(23、横浜ビー・コルセアーズ)がディフェンスファウルを取られ、ストラゼルの3ポイントシュートも決まった。4点のリードが瞬く間に1点に変わり、バスケットカウントで与えられたフリースローも難なく決められた。この時点で残り10秒。スコアは84-84になった。

 フランス紙の『Le Figaro』は、満員の約2万7000人で埋まったアリーナを熱狂させた奇跡の同点劇を、次のように伝えている。

「限界にまで追い込まれ、フランス国民の前で大恥をかく寸前だったレ・ブルー(フランス代表の愛称)は、ストラゼルの信じられないスーパープレーに救われた。ストラゼルの4点プレーが、それまで抑圧されていた選手たちの感情をすべて解き放った。延長でようやく日本を上回ったが、決して簡単な勝利ではなかった」

 試合後のフラッシュインタビュー。ファウルを取られたシーンを目の前で見ていた、日本のトム・ホーバス・ヘッドコーチ(HC、57)が言葉をのみ込みながら話した。

「最後のファウルがちょっと……ちょっと大きい。本当に悔しいです」

 何を言いかけたのか。実は河村がストラゼルに触れたかどうかが微妙で、SNS上では河村のファウルではないとする映像がいくつも投稿されていた。勝敗を分けた攻防を目の前で見ていたホーバスHCも、思わずぼやきかけた。

 それでも、審判の判定を批判しても結果は変わらない。気を取り直すように、不満をブラジル代表との1次リーグ最終戦への闘志に変えた。

「僕たちのオリンピックはまだ終わっていないから、次は絶対に勝ちたい」

 最新のFIBA(国際バスケットボール連盟)ランキングで、9位のフランスに対して、48年ぶりに自力で五輪出場を果たした日本は26位。前回東京五輪では銀メダルを獲得しているパリ五輪開催国に、日本は真っ向から点の取り合いを挑んだ。

 第1クオーターから河村、渡邊雄太(29、千葉ジェッツ)、ジョシュ・ホーキンソン(29、サンロッカーズ渋谷)らの3ポイントシュートが次々と決まる。前半を5点ビハインドで折り返すと、第3クオーターの序盤には河村とホーキンソンが連続3ポイントシュートを決めて55-51と一気に逆転。地元のファンを驚かせた。