大迫敬介に緊急提言「GKとCBは取り替え式を履け」(1)川崎マルシーニョからゴールを守れ 日本代表GK「スベらない話」

AI要約

サッカー選手がなぜ足を滑らせるのか、特にGKの大迫敬介に焦点を当てながら解説。

大迫の一連のプレーを具体的に振り返り、足を滑らせた原因や影響について考察。

さらに、サッカーシューズのスタッドによるケガの危険性についても言及。

大迫敬介に緊急提言「GKとCBは取り替え式を履け」(1)川崎マルシーニョからゴールを守れ 日本代表GK「スベらない話」

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような、「超マニアックコラム」。今回のテーマは、クツ底のあいつ。

 サッカー選手は、なぜあんなにスベるのだろうーー。

 スライディングタックルではない。相手に対応して急激にターンしようとするとき、あるいは方向転換で相手を抜き去ろうとするとき、足をスベらせて転んでしまう選手を、1試合のうちに必ず数回は見る。

 攻撃時であれば、無数にある失敗のひとつで、芸人の「スベり」程度のものかもしれない。しかし、DFやGKとなると、試合結果に影響を与えかねない深刻な事態だ。

 6月29日の川崎フロンターレ×サンフレッチェ広島で、広島の日本代表GK大迫敬介が足をスベらせ、先制点を与えてしまうという「失態」を演じた。あまりクローズアップされなかったが、失点したか・しないかに限らず、GKとして試合中に足をスベらせるなど、絶対にあってはならないことだ。

 0-0で迎えた前半23分、DF佐々木旭のボール奪取をきっかけに川崎が波状攻撃をかける。その「第5波」の攻撃。ペナルティーエリアから戻されたボールを受けた川崎MF瀬古樹が少し持ち上がってエリア外中央から左足シュート。

 自分から見てゴール左隅に飛んでくると判断した大迫は、素早くステップを踏んでポジションを移動する。だが、瀬古のシュートは広島MF東俊希の体に当たって小さく浮き、ゴール中央に向かって跳ねた。素早く反応した大迫だったが、自分から見て右にダイブしようとしたときに軸となるべき左足がわずかにスベったのである。それでも懸命に跳んだが、完全にはじき出す力はなく、かろうじて両手でボールに触れただけ。ゴール前に転がったボールを、鋭く詰めた川崎FWマルシーニョが押し込んだ。

 さすがに日本を代表するGKであり、昨年のドイツ戦では4-1の勝利に貢献したGKである。大迫の技術は完璧と言えた。最初の素早いステップも、そしてディフレクションに対する反応も、第一級のものだった。しかし、長い時間の努力で培ってきた技術も、足をスベらせてはすべてが無になる。

 大迫の足は白いシューズに覆われていたが、私は彼がどんなメーカーの何というモデルのシューズを履いているのかなど、あまり関心はない。ただ、調べてみると、彼が今季はいているのは、アディダスの「コパピュア2」という固定式スタッドのものだという。だが、どんなシューズを履いていても、別にどろんこではないきれいな天然芝の上で足をスベらせるなど、GKとしてあってはならないのではないだろうか。

 今回の話は、シューズの底についているもの、「スタッド」と呼ばれる突起物のことである。近年のサッカーでは、相手に対する足裏でのタックルや踏みつけなどが大きな問題となっているが、こうした行為が相手にケガをさせる危険性が大きいのは、シューズの底に固いスタッドがついているからだ。

 現在のサッカーシューズのスタッドの数や形状はそれこそ千差万別。しかし、いずれにしても小さな突起物の集まりであり、タックルや踏みつける選手の全体重×速度で表される大きな力が、スタッドの底面積という小さな場所に集中する。その結果、相手の足に大きなダメージを与えるのである。