日本人GKとして初のスペイン挑戦 フットサル日本女子代表・須藤優理亜の覚悟「W杯でいい成績を残すために」【緊急インタビュー】

AI要約

フウガドールすみだの守護神・須藤優理亜がスペインリーグへの移籍を発表。目標は2025年のFIFAフットサル女子ワールドカップ。ワールドカップに向けて世界レベルのトレーニングを求めて移籍を決断。

スペイン移籍の意義や決断の過程、環境や実力差について述べる。新たな挑戦を通じて成長を期待。

言語の壁を乗り越え、フットサルに集中。さらなる成長とYouTube活動への意欲を示唆。

日本人GKとして初のスペイン挑戦 フットサル日本女子代表・須藤優理亜の覚悟「W杯でいい成績を残すために」【緊急インタビュー】

フウガドールすみだの守護神・須藤優理亜は7月15日、世界最高峰の一つ、スペインリーグへの移籍を発表した。リーグ戦の真っ只中に決断を下した理由は、2025年にフィリピンで開催される「FIFAフットサル女子ワールドカップ」だ。女子フットサル史上、初めて開催される“フットサルの祭典”は、4年間フットサル日本女子代表として活動してきた彼女にとって、とても大きな目標となった。

その目的を達成するために選んだのが、よりハイレベルな舞台だ。「W杯で少しでもいい成績を残すために」。国内において、須藤は当然、トップレベルだ。しかし、その実力が世界で通用するかどうか、確証はない。日常的に“世界レベル”に身を置き、各国の代表選手たちと研鑽することは、世界に近づく第一歩だと、彼女は考えた。

須藤が下した決断と、その覚悟とは。

取材=青木ひかる、伊藤千梅

文=伊藤千梅

──7月15日にスペインへの移籍を発表しました。海外移籍を考え始めたのはいつ頃からですか?

2018年のユースオリンピックに出場した時にポルトガルやスペインと対戦して「またこの人たちと一緒にやりたい」という考えが頭のなかにずっとありました。2年くらい前に代表でスペインに遠征した時にその気持ちがまた出てきて、来年のワールドカップが決まったことで「行ったほうがいいのではないか」という思いが強まりました。

──ワールドカップの開催が後押しになって、練習参加に行ったそうですね。

今年3月に代表でポルトガル遠征に行った際に、四井(沙樹)と一緒に残って、そのままスペインへ移動しました。2チームの練習に参加して、約1カ月くらいいました。

──そこから移籍へと踏み切った経緯を教えてください。

実は、移籍先のトレブランカ・メリリャというチームは練習参加に行っていないんです。向こうで別のチームの練習に参加している時に連絡をもらい、プレーの映像を送りました。このチームにはブラジル代表(FIFAランキング1位)の選手がいるので、W杯で少しでもいい成績を残すために、日常的に各国の代表選手たちと練習を積んで試合に出ることを一番に考えて決断しました。

──移籍の決め手は?

海外でやりたいとは言っても、1部でないとやる意味がないと思っていたので、その点は大きかったです。あとは、日本に比べて試合数が多いことと、プロ契約できたことです。事前に、「プロでないと行かない」とは伝えていました。それと、先ほど言ったように、世界トップレベルのブラジル代表の選手がチームに何人もいることも決め手になりました。

──移籍について誰かに相談していたのですか?

6月までスペインにいた四井にはいろいろと相談に乗ってもらいました。すみだのチームメイトは練習参加に行った時点で予想していたと思いますが、リーグ戦の最中だったのでキャプテンの勝俣(里穗)以外には伝えていませんでした。仮に移籍の話がうまく進まなかった場合にメンタルが落ち込む可能性もあったので、みんなには契約内容が固まってから言おうと思っていました。なので、伝えたのは最後の試合の1週間前くらいでした。

──スペインと日本の環境はどう違いますか?

日本の選手の多くはフルタイムで働いていますし、月謝を払ってプレーしているチームもあるので、環境がいいとは言えません。スペインだと給料が出ますし、試合や自分のパフォーマンスが生活にも関わってくるという意識の面では差があると思います。難しいですが、リーグの環境が良くなれば、選手の意識も変わってくるのかもしれません。私がスペインから海外の環境などについて発信することで、話のきっかけになることも必要ではないかと感じています。

──実力的にも差を感じますか?

そうですね。特にフィールドプレーヤーは海外の選手のほうが個の技術はあるように感じます。一つのパスやドリブルも、海外の選手のほうが優れている印象です。

──そうした選手と練習から対峙することで、GK技術の向上が見込めそうですね。

練習参加した時に感じたのですが、シュートスピードもボールの回転も全然違いました。これは、日常的に経験しないと普通に止められるようにならないな、と。そこは成長できるのではないかと思っています。

──言語の不安はありますか?

まったくしゃべれないですが、なんとかなるかなとあまり不安はありません。これまでスペイン語は勉強していたのですが、ブラジルの選手が多いのでポルトガル語が飛び交っていると聞いて、もう現地に行ってから頑張ろうかな、と(笑)。やる前にどうしようと迷うのではなく、直感でいっちゃうタイプなんです。

──スペインで挑戦したいことはありますか?

あくまで考えていることですが、空いた時間でYouTubeを始めようと思っています!