【高校野球】掛川西「ソフトボール戦法」で聖隷守備陣をかく乱 26年ぶりVへ陽動作戦大成功

AI要約

掛川西が静岡大会の決勝で秘密の作戦を展開し、聖隷クリストファーを7-2で破り、26年ぶりに甲子園出場を決めた。

掛川西は走者が出た際にリードを取らず、相手を戸惑わせる作戦を採用。これにより相手投手のリズムを崩すことに成功した。

この戦術により、掛川西は聖隷の投手陣を攻略し、13安打7得点で勝利。甲子園出場を果たした。

【高校野球】掛川西「ソフトボール戦法」で聖隷守備陣をかく乱 26年ぶりVへ陽動作戦大成功

◆第106回全国高校野球選手権静岡大会▽決勝 掛川西7―2聖隷クリストファー(29日・草薙球場)

 掛川西の“秘策”に思わず、目を疑った。走者が一塁に出た時だけ投手がセットポジションに入っても一歩をリードを取らず、ベースについたままだった。完全にホームへ投げてからスルスルとリードを取った。まるで、投手のボールが手から離れる前にベースを離れていけないルールのソフトボールを見ているようだった。

 大石卓哉監督(44)が試合前、予想外の作戦を選手に伝えて実行した。「相手投手はけん制がうまいので、刺されないようするためリードをさせなかった」。ただ、本当の思惑は、ちょっと違う。作戦の趣旨をこの日2度出塁した3番・佐藤駿斗三塁手(2年)が補足した。「相手投手は走者が出ると、間が長くなるし、けん制が多くなるから」。打者の間合いで打つことが難しくなるため、あえてリードをしない戦法を思いついた。塁に釘付けになっている相手走者を見た聖隷のエース・袴田行紀(3年)は、「あまり気にならなかった。それなら、打者と勝負しようと思いました」と、いう。むしろ、それが指揮官の本当の狙いだった。

 けん制球やプレートを外して間合いをハズされることを極力減らし、相手投手に打者との1―1の勝負をさせるやすくするために“餌”をまいた。しかも、普段の相手のリズムを崩し、いつもと違うテンポで投げさせることにつながった。

 リードを大きく取って相手バッテリーをゆさぶるのとは真逆をいった掛西大石流の陽動作戦。13安打7得点で聖隷投手陣を攻略し、26年ぶり甲子園の切符をもぎ取った。