【とっておきメモ】照ノ富士「全部ダメになっている」心技体の中で「体」を追い求めて10度目V

AI要約

横綱照ノ富士がついに10度目の優勝を達成し、隆の勝に競り勝った。体を追及した取り組みが功を奏し、横綱の底力が発揮された。

照ノ富士は怪我や病気に苦しみながらも、体の充実を重視し、十年のキャリアを築いてきた。体への配慮が相撲取りとしての成功につながっている。

怪我を乗り越えて復活を果たした照ノ富士は、今後も相撲界に貢献する親方としての地位を見据えている。

【とっておきメモ】照ノ富士「全部ダメになっている」心技体の中で「体」を追い求めて10度目V

 横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が苦しみながら目標の10度目の優勝を達成した。大関琴桜に敗れ、3敗で隆の勝に並ばれた。優勝決定戦では隆の勝にもろ差しを許すが、横綱の底力を発揮して寄り切った。今年初場所以来10度目の優勝は2場所連続途中休場明け。横綱在位18場所で皆勤は8場所も、うち6場所で優勝と番付の頂点に立つ威厳を示した。

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 「心技体」の中でも、特に「体」を追い求めて到達した、通算10度目の優勝だった。照ノ富士は9度目の優勝を果たした、初場所千秋楽から約2週間後に「相撲に一番重要なのは頑丈な体」と、語ったことがあった。両膝のケガや糖尿病などで、大関から序二段に番付を下げながら、横綱まで上り詰めた「心」と「技」の充実は、誰もが認めるところ。「体」の充実を求めて、序二段から再入幕して幕尻で2度目の優勝を果たすまで、約1年半で「筋トレをしなかったのは20日間ぐらい」と明かしていた。

 「相撲に大事なのは足腰っていうけど、自分の場合はそこが全部ダメになっている。いかに筋肉でカバーして、関節に負担をかけないか。それによって相撲を取ることができている」。初土俵から順調に番付を上げる中で優勝したのが1度に対し、再びはい上がってからの優勝が9度。けがをするたびに、復調までの稽古内容などを、ノートに書き留めてきたことが生きた。「人に教える立場になった時も役立つと思って」。そこまで遠くない未来として見据える親方としての下地も、自身の体を使いながら築いている。【高田文太】