照ノ富士、大目標V10に王手「相手に圧力をかけることができている」

AI要約

横綱照ノ富士がV10に向けて優勝の王手をかける13日目。14日目は2番手に2差で迎える状況。

照ノ富士は大関貴景勝を押し切り、圧力をかけながら冷静に相手を制し、安定した相撲を見せる。

伊勢ケ浜親方も照ノ富士の相撲に注目し、前に攻める姿勢や安定感を評価する。

照ノ富士、大目標V10に王手「相手に圧力をかけることができている」

<大相撲名古屋場所>◇13日目◇26日◇ドルフィンズアリーナ

 横綱照ノ富士が大目標に掲げてきたV10に王手をかけた。2番手に2差のまま迎える14日目。3敗2人が負けても優勝だが、結びで隆の勝に勝って決める。

 この日も横綱の圧力がかど番の大関貴景勝を押しつぶした。何とか体勢を崩そうとする相手の動きを冷静に見極めた。じっくりさばいて最後は、はたき込みで「落ち着いていけた」。腰を落とした下半身の安定ぶりが際立つ。「相手に圧力をかけることができている。それが相撲がよくなっているということじゃないかな」と冷静に振り返った。

 2場所連続途中休場からの復帰場所。場所前の稽古は決して十分とは言えないが、積み重ねてきた経験から工夫をこらす。この日も支度部屋で出番前にダンベルを両手に汗を流して備えた。作り上げた下半身の安定も「本場所だけじゃない。日ごろからやってきたこと。その日その日の積み重ね」ときっぱり言った。

 この日、NHKの解説を務めた師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も今場所の相撲には目を細める。「久しぶりに前に出ながら攻めている。膝が悪いし、ああいう相撲は大丈夫かという思いもあったが、開き直っていけてるんじゃないか」と力強さを評価した。

 今年初場所以来の優勝へあと1番。「まだ2日もある」と厳しい表情は緩めず、手ごたえを聞かれると「別に今、感じているわけじゃない」と言った。横綱をのぞく三役陣の優勝の可能性は消滅。番付の頂点に立つ者として力を見せつける。【実藤健一】