ハンドボール男子「若い世代確実に強く」36年ぶり自力出場「今でも鳥肌」元代表らエール

AI要約

日本勢が自力で出場を決めた男子ハンドボールのパリ五輪参加に期待が高まっている。

過去の感動的なアジア予選の模様や競技者の活躍、交流について述べられている。

ハンドボールの人気向上や振興のために、選手やファンが注目する重要な大会となることが期待されている。

ハンドボール男子「若い世代確実に強く」36年ぶり自力出場「今でも鳥肌」元代表らエール

実施されるすべての球技に日本勢が出場するパリ五輪。27日(日本時間)に1次リーグ初戦で強豪クロアチア戦を迎える男子ハンドボールは、36年ぶりに自力出場を決めた。競技関係者は「若い世代は海外で確実に強くなっている」と、期待を寄せる。

「選手もファンも涙を流した。思い返せば今でも鳥肌が立つ」。東京都世田谷区でお好み焼き店「とこしえ」を営む永島英明さん(47)は、昨年10月のアジア予選を勝ち抜き、五輪切符をつかんだ感動を振り返る。

代表チームで主将を務めるなど活躍し、37歳で引退。「選手やファンの交流の場に」と、5年前に店をオープンさせた。ハンドボールに限らず、他競技の現役選手も訪れるという。

前回東京大会は開催国枠での出場。1988年ソウル大会以来、自力で出場枠をつかんだ要因について永島さんは「活躍の舞台を海外に移す若手が増えたこと」を挙げる。今大会は交代メンバーも含めた計17人中4人が海外チームに所属。東京大会の主力が補佐に回るほど層が厚くなった。

一方、今回は東京大会以降に主将を担っていた東江雄斗が代表メンバーから外れるサプライズがあった。店を訪れた東江は「切り替えるしかないです」と心情を吐露。永島さんは「何も言えなかった」と明かす。

加えて、クロアチアを率いるのは日本のアジア予選突破を指揮し今年2月に突然辞意を表明したダグル・シグルドソン監督。さまざまなドラマや因縁もはらんだ五輪となる。

ただ、国内では依然、ハンドボールはマイナー競技だ。永島さんの大学・社会人時代の後輩で今年6月に引退し、店を手伝う元日本代表の森ペレス淳さん(37)は「キッチンカーで全国を巡り、競技を普及させたい」と意気込む。

「五輪を当たり前にすれば、人気に火が付く。そのためにも1勝でも多く挙げてほしい」。永島さんはエールを送った。(市岡豊大)