琴桜が2敗死守「どの一番も落としていいわけではない」大関の責任感で優勝争いの興味つなぐ

AI要約

琴桜は新関脇大の里を上手投げで破り、勝ち越しを決めた。横綱照ノ富士は無傷10連勝の独走状態。大関貴景勝は6敗目を喫し、かど番脱出へ厳しい終盤戦を迎える。

琴桜は責任感を持ち、地位の重みを感じながら闘っており、横綱照ノ富士との千秋楽の対戦が想定される。シビアな闘いが続く。

琴桜は春場所の新大関から3場所目であり、祖父が元横綱である。大関昇進前から地位への意欲を持ち続け、真剣勝負を貫いている。

琴桜が2敗死守「どの一番も落としていいわけではない」大関の責任感で優勝争いの興味つなぐ

<大相撲名古屋場所>◇10日目◇23日◇ドルフィンズアリーナ

 琴桜(26=佐渡ケ嶽)が大関の看板を守った。先場所優勝の新関脇大の里を上手投げで破り、勝ち越しを決めた。

 優勝争いの興味をつなぐべく、ただ1人の2敗を死守した。横綱照ノ富士は関脇霧島を小手投げで下し、無傷10連勝の独走状態。大関貴景勝は行司軍配差し違えで6敗目を喫し、かど番脱出へ厳しい終盤戦を迎える。

    ◇   ◇   ◇

 立ち合いからの突き合いは、琴桜が攻められているように映った。しかし、土俵で闘っている者の実感は違った。大の里が「全然。見られてましたね。攻めさせてくれなかった。さすがです」と脱帽したように、しっかりと動きを見極め、好機を逃さずにつかんだ左上手を離さず投げを決めた。

 「我慢していきました。(立ち合いは)しっかり当たっていこうと、それだけです。(勝ったのは)よかったと思います」

 淡々と振り返る表情に大関としての責任感がにじみ出る。同じ2敗だった平幕の美ノ海が先に後退。負けない横綱とこれ以上星差が広がれば、優勝争いの興味は薄れる。大関としての責任感が問われ「その気持ちは持ってやっている」と力強く言った。

 今年春場所の新大関から3場所目。「地位が人をつくる」の格言を体現する。祖父が元横綱琴桜。幼いころから地位の重みを肌で感じてきた。昇進前の昨年九州場所、大関への意欲を問われた答えが「(相撲を)やっている以上、目指すものなのは間違いない」。

 横綱照ノ富士とは千秋楽の対戦が想定される。「どの一番も落としていいわけではないんで。また明日、しっかり集中していきたいです」。1つも落とせないシビアな闘いが続く。【実藤健一】