【F1ハンガリーGP】通算35戦目で初Vのピアストリ「チーム全員を信じていた」ピット間に首位譲った同僚ノリスの”抵抗”にも冷静さキープ

AI要約

マクラーレンのオスカー・ピアストリが通算35戦目で初優勝を果たす

チームは2021年以来のワンツーフィニッシュを達成

ピアストリの若さと勢いがF1界を席巻する一方、チームメイトとの連携も維持

【F1ハンガリーGP】通算35戦目で初Vのピアストリ「チーム全員を信じていた」ピット間に首位譲った同僚ノリスの”抵抗”にも冷静さキープ

F1 第13戦 ハンガリーGP 決勝 21日

ハンガロリンク(4・381キロ×70周) ペン=尾張正博、ルイス・バスコンセロス

 デビュー2年目、マクラーレンのオスカー・ピアストリ(23)=オーストラリア=が通算35戦目で初優勝を果たした。2番グリッドから好スタートで首位に浮上。ピットストップのタイミングで同僚ランド・ノリス(24)=英国=にトップを奪われたものの、最終盤に“返却”され「チームに感謝。信じられないほど素晴らしい気分だ」と喜んだ。チームは2021年イタリアGP以来のワンツーフィニッシュ。メルセデスのルイス・ハミルトン(39)=同=が3位に入り、通算200回目の表彰台を獲得した。

 ピアストリが表彰台の頂点に立った。昨年10月のカタールGPでスプリントを制しているものの、「気持ちは全然違うよ。やっぱりスプリントは本当の勝利じゃないからね」と強調。ついに“本当の”初優勝をつかみ取り、「長いこと夢見てきた特別な瞬間だ。すごく幸せ。オーストラリアの国旗がたくさん振られていて、クールな光景だったね」と歓喜に浸った。

 スタートでポールのノリスを抜き、トップに立って快調に飛ばす。3番手からスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンのペースが上がらなかったこともあり、完璧にレースをコントロールしていた。

 暗雲が立ち込めたのは2度目のタイヤ交換時だ。45周終わりで2番手だったノリス、その2周後にピアストリがピットに入って順位が入れ替わる。チームはポジションを戻すよう指示したが、トップに立って好ペースで走るノリスが抵抗。チーム無線で説得され続け、ようやく68周目に折れる。長く待たされたピアストリはそれでも、「心配していたのは(追い抜き禁止となる)セーフティーカーが出ることだけ。ランドを含め、チーム全員を信じていたよ」と冷静に振り返った。

 2020年にFIA-F3、21年にF2と立て続けに王座に就き、実力を高く評価された。22年はアルピーヌでリザーブドライバーを務めたが、23年にマクラーレンからF1デビュー。移籍の際には一悶着(ひともんちゃく)もあり、「F1に参戦する機会を与えてもらい、感謝してもしきれない」と頭を下げる。

 レース中に緊張が走ったものの、ノリスとのコンビは現グリッドで最強。「チームは素晴らしいクルマを与えてくれた。今はどんなサーキットでも、どんなコンディションでも速いと証明できた。すごく自信があるし、チームの他のメンバーもそうだと思う」。若さと勢いで、F1界を席巻していく。