初戦完封「日の丸を背負って戦いたい」パリ五輪GK小久保玲央ブライアンの海外移籍「日本と全然、違う」スピードと「困ってない」試合中の指示、オタク

AI要約

小久保玲央ブライアンがポルトガル1部からベルギー一部への移籍を発表した

現在の状況や海外移籍についてのインタビューが行われた

言語の壁やコーチングについて語られ、成長について触れられた

初戦完封「日の丸を背負って戦いたい」パリ五輪GK小久保玲央ブライアンの海外移籍「日本と全然、違う」スピードと「困ってない」試合中の指示、オタク

 先日、所属するポルトガル1部ベンフィカからベルギー一部シント=トロイデンへの移籍を発表したパリ五輪サッカー日本代表の守護神の小久保玲央ブライアン。

 ヒヤリとするシーンはあったものの、初戦のパラグアイ戦を5-0の完封勝利で飾ったS・G・G・K(スーパー・グレート・ゴール・キーパー=『キャプテン翼』高橋陽一)に、日本代表で戦うということはどういうことなのか、また、海外リーグで戦うというのはどういうことなのか、直撃インタビュー!

――U-23日本代表で戦うことに、特別な思いはありますか?

小久保 自分は、日本と海外の両方でプレーをして、そこで日本という国の素晴らしさに気づきました。だから、日本代表に選ばれたのは誇らしいことですし、自分の好きな家族や友達のためにも日の丸を背負って戦いたい。

 U-15に選ばれたときから現在まで、ずっとそう思って戦っているので、その思いは誰にも負けません。

 それに、自分が直接、知らない日本中の人たちから「元気をもらった」「ありがとう」などの言葉を、SNSなどを通じていただいて、さらにパワーをもらいましたね。

――2019年1月、ポルトガル1部の強豪SLベンフィカのU-23チームに移籍しました。18歳での海外移籍を振り返って、当時の選択をどう思いますか?

小久保 早い段階で海外に行けたのは、自分のキャリアにとって大きなプラスでした。Jリーグでプレーすることは夢でしたが、海外への憧れも強かったので。ベンフィカに行ったことで、サッカーの上達スピードがどんどん上がっていったし、周りの選手のレベルもすごく高いので、より成長できる。

 クラブ選びは大切だと思いますし、チャンスがある選手は、どんどん海外に挑戦してほしいなと思います。

小久保 サッカーにおいてはヨーロッパが最先端で、ビッククラブがそろっているので、日本とはプレースピードが全然、違います。チームメートにワールドチャンピオンがいるのも珍しくないし、彼らの日常生活を間近で見ることもできるので、そこからの学びも大きいです。

 あと、トップ選手はみんなサッカーオタクなので、一緒に練習すると、すごく勉強になります。自分のサッカーIQは、ベンフィカに行って、一気にレベルアップしたと思います。

 以前よりも、1つ1つのプレーの判断が早くなったというか、パスが来て5秒以内に判断するんですけど、そのプレーが終わった瞬間、もっとこうできたなとすぐに思い浮かぶようになって、自分の中のサッカーについての「正解」が明確になりました。

――言語の壁は感じますか?

小久保 試合中のコーチング(味方チームプレーヤーに指示を出すこと)は困っていません。

“右”、“左”、“後ろ”、“前へ返して”とか、使う単語が10個くらいだとわかったので、それらを覚えてしまえば、チームメートとコミュニケーションが取れます。

 ハーフタイムのときにセンターバックの選手とビルドアップ(ゴールキーパーまたはディフェンダーが起点になって、自陣から前線へとパスやドリブルで攻め上がっていく一連の過程)について話したりはするけど、内容はシンプルです。

 キーパーよりも、フォワードや中盤の選手のほうがゲームを動かすために、あれこれコミュニケーションを取るので、高度な単語も覚える必要がある。それと比べるとキーパーは難しくないですね。

 自分のコーチングの質も、日本にいるときとポルトガルにいるときと、あまり差はないと思います。

――コーチングで大切にしていることは、なんでしょうか?

小久保玲央ブライアン(こくぼ・れお・ぶらいあん) 2001年1月23日生まれ、千葉県出身。193センチ、91キロ。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、小学生時代は柏エフォートFCでプレー。柏レイソルU-15、U18で才能を伸ばし、18年、柏レイソルトップチームへ。同年1月開催の「アルカス国際カップ」で大会最優秀GKに選出されたことで世界的に注目され、翌19年1月、ポルトガル1部の強豪SLベンフィカのU-23チームに加入することに。20年8月には、UEFAユースリーグ決勝でレアル・マドリードと対戦。2-3で敗れるも、大会準優勝に貢献した。同年10月、2部SLベンフィカBで初ベンチ入り。22年1月、Bでデビューを果たし、5月にトップチームで初ベンチ入り。日本代表としては、U-15代表候補に選ばれたのを皮切りに、各年代で選出。今年4月のAFC U23アジアカップでは、数々のビッグセーブでパリ五輪出場権、アジア制覇に貢献。7月11日、ベルギー1部のシント=トロイデンVVへの完全移籍を発表した。