神村学園が昨夏決勝戦で戦った鹿屋中央にコールド勝ち!今年のテーマ「和顔愛語」の意味とは?【24年夏・鹿児島大会】

AI要約

神村学園が鹿屋中央を8-0で下し、第106回全国高校野球選手権鹿児島大会の準々決勝に進出した。

神村学園は力強い打撃とエースの好投で相手を圧倒し、試合をコールドで制した。

チームは高い経験値とプレッシャーに立ち向かうために「和顔愛語」というテーマを掲げている。

神村学園が昨夏決勝戦で戦った鹿屋中央にコールド勝ち!今年のテーマ「和顔愛語」の意味とは?【24年夏・鹿児島大会】

<第106回全国高校野球選手権鹿児島大会:神村学園8-0鹿屋中央(7回コールド)>21日◇準々決勝◇平和リース球場

 神村学園と鹿屋中央。昨夏の決勝戦と同じカードの一戦だったが、神村学園が第1シードの底力を随所に発揮した。

 2回表、一死一塁からエンドランを仕掛け、7番・木下夢稀(3年)が強烈な右越え二塁打を放って先制した。

 3回は先頭の2番・入耒田華月(2年)から3連打を浴びせ、5番・岩下吏玖(3年)の二ゴロで2点目、6番・上川床勇希(3年)の犠飛で3点目、二死一三塁となって一走・木下が二盗の間に三走・岩下が判断良く本塁を陥れ4点目と、そつなく得点を重ねた。4回にも集中打を浴びせ、5番・岩下、6番・上川床の連続適時打などで計4点を加えて、大きく主導権を手繰り寄せた。

 先発の左腕エース今村拓未(3年)は鹿屋中央打線に三塁を踏ませず、10奪三振の好投で完封勝ちした。

 鹿屋中央は2番手左腕・溝淵爽(2年)が好投し、5回以降は追加点を与えなかったが、打線が最後まで振るわなかった。

 「プレッシャーを感じさせることなく、選手たちが落ち着いてプレーしてくれた」と神村学園・小田大介監督は選手たちの試合運びぶりに頼もしさを感じていた。

 第1シード、今季県内負けなし、昨夏甲子園メンバーが豊富に残っている…勝ち続けているうちに「背負うものが大きくなって、監督11年目で今までにないプレッシャーを感じている」と小田監督。選手たちにも重圧はある。それを乗り越えるために掲げているテーマが「和顔愛語」(わがんあいご)だ。

 相手に挑まれる厳しい状況の時こそ、柔和な表情を忘れず、仲間に語り掛ける言葉は愛情にあふれた声掛けを意識する。昨年の「気愛」を更に進化させた造語だ。

 この日の相手は鹿屋中央。昨夏の決勝で敗れた雪辱で気合十分なのは試合中の声掛けや雰囲気で十分に伝わってくる。その相手の挑戦を受けるでも、気迫で凌駕するでもなく、淡々とやるべきことをやり切る。終わってみれば投打に圧倒して寄り切っていた。

 好投したエース今村は「ストライクゾーンでしっかり勝負できたのが良かった」と投球を振り返る。序盤は常速130キロ台の直球で力強く抑える。「一巡すれば慣れてくる」のも見越した上で、中盤から100キロ台の変化球を数多く織り交ぜて、相手の狙いを巧みにかわしていく。強打の鹿屋中央打線に反撃のきっかけを与えなかった。

 攻守に持ち味を発揮できたが「これからの2試合は自分たちらしさを出すのが難しい試合になると思う」と今村。この日は終始自分たちのペースで試合ができたが、そうできない状況が準決勝、決勝では間違いなくやってくる。「そんなときこそ和顔愛語を意識したい」と自らに言い聞かせていた。