大阪桐蔭4強、プロ注目内野手のラマル代打2ラン 「空みたいな大きな夢があるんです」【全国高校野球選手権大阪大会】

AI要約

大阪桐蔭が早稲田摂陵を破り、ベスト4進出を果たした。徳丸快晴やラマル・ギービン・ラタナヤケの活躍で勝利を収めた大阪桐蔭は、力強い投手陣も奮闘した。

代打で起用されたラマルは、2ランホームランを放ち、今大会初の柵越えを達成。長打力を見せつけ、チームに勢いを与えた。

体調不良やケガを乗り越え、夏までに体重増加とトレーニングを重ねたラマル。スカウトからも注目を集める逸材であることが再確認された。

大阪桐蔭4強、プロ注目内野手のラマル代打2ラン 「空みたいな大きな夢があるんです」【全国高校野球選手権大阪大会】

◇25日 第106回全国高校野球選手権大阪大会準々決勝 大阪桐蔭7―3早稲田摂陵(大阪シティ信用金庫スタジアム)

 大阪桐蔭が昨夏の雪辱に燃える早稲田摂陵に勝ち、ベスト4進出を決めた。1回に4番・徳丸快晴左翼手(3年)の適時打などで先手を取ると、5回にプロ注目のラマル・ギービン・ラタナヤケ内野手(3年)が代打で左越えに2ラン。粘る早稲田摂陵を6回から登板した最速146キロ右腕の川上笈一郎投手(3年)が4イニングで1失点にとどめて逃げ切った。

 長打を絡めて、ジワリジワリと詰め寄ってくる早稲田摂陵。3試合連続でスタメンから外れていたラマルが、2点リードの5回2死二塁の場面で代打起用された。帽子のツバの裏側には「Look at me 夢空」と、黒のフェルトペンで書いてある。

 「空みたいな大きな夢があるんです。好きな漢字を書きました」

 プロ野球のスカウトから注目される右打ちの長距離ヒッター。「打ったのは変化球。甘く入った球をしっかり捉えて打つことができたかなと思います」。この本塁打が高校通算33本目。白い雲が浮かぶ青空に向かって大きなアーチをかけた。

 「4番・一塁」でスタートした今大会は東との2回戦、枚方なぎさとの3回戦とも無安打。拙守もあった。城東工科との4回戦ではスタメンを外れたものの、代打でタイムリーヒットを放った。大商大堺との5回戦は出場機会なし。そして、4強をかけた一戦で、「チームが盛り上がって良かった」と振り返る今大会チーム初の柵越えだ。

 西谷浩一監督は「これで少し気持ちが楽になると思います。明るい子なんですが、結果が出なくて、もがいてました。一生懸命にやる子。どこかでやってくれると思っています。他の打者にはなかなか打てない、ラマルらしい一発でした」とたたえた。

 今春は体調不良やケガなどもあって、メンバー外だった。夏までに「ごはんを夜だけで1キロ食べて、体重は5キロ増えました」。体重を増やして筋力トレーニングに励んだことで、「打球は強くなったと思います」とラマル。ネット裏で視察した中日の山本将道スカウトは「パワーは強烈。一発で仕留めるところも魅力。低反発になる前の昨年までのバットだったら場外に飛んでいたんじゃないですか」と目を見張った。

 準決勝の相手は履正社―大産大付の勝者。「このホームランが良いきっかけになると思います」と言うラマルが上昇気流に乗れば、攻撃力に厚みを増す。