無駄のないフォームから149キロ・森 厳徳(県岐阜商)、チームを甲子園へ導く投球がドラフト本指名を手繰り寄せる!<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>
県立岐阜商のエース・森厳徳投手について、監督の鍛治舍巧が語る。
森厳徳投手の投球スタイルや特徴について詳細に解説。
ドラフト候補としての評価や甲子園での活躍が注目される。
2年ぶりの甲子園に県立岐阜商があと2勝にまで迫った。エースの149キロ右腕・森 厳徳投手(3年)について、同校の鍛治舍 巧監督はこう語る。
「夏には150キロは期待できるし、決め球をいくつも持っている。入学した当初はとにかくリキんでいましたが、昨秋から状況を見ながら冷静に投球ができつつあります。試合によって変化球の精度に差はありますが、それでも工夫しながら、その日もっとも切れの良い変化球を自ら見つけて、三振を奪えるのが彼の長所です。身長は大きくありませんが、横にがっしりしています。筋肉にしなやかさがあって、可動域が広く、基礎筋力もこれまでプロ入りした選手と比較しても遜色ありません。完成度は高いですが、まだまだ発展途上。成長が楽しみです」
岐阜大会の投球を見ると、前評判通りの投球を見せている。172センチ76キロと上背はない。タイプとしては172センチ73キロの髙尾 響投手(広陵)と似ている。
ゆったりとワインドアップから始動し、左足を上げたときの姿勢がよく、滑らかな体重移動ができていて、無駄のない投球フォーム。5月に取材した際、キャッチボールから1球1球大事に投げていて、ネットスローでもフォームを確認していた。こうした積み重ねが安定した投球フォームにつながっているのだろう。
常時140キロ~145キロの速球はスピンがかかっていて、空振りが奪える。変化球も多彩でスライダー、ツーシーム、カーブ、フォークと4球種を投げ、いずれも低めに決まっているので、なかなかミートができない。投球パターンの引き出しは広く、ストレート中心の投球もあれば、変化球を連投するという、慎重な投球パターン。長打を許さない投球ができる。そのため、ヒットもシングルヒットや、内野の間を抜くみたいなものが多いので、長打からの失点は少ない。こうした投球センスの良さはなかなか身につけるのが難しいので、大きな強みになるだろう。
ドラフト的に見ると本指名のボーダーラインの投手と見ている。甲子園に導く快投を見せることができるかどうか、評価の分かれ目となるだろう。
<森 厳徳 (もり・げんとく)プロフィール>
右投げ右打ち 172センチ76キロ
岐阜青山ボーイズ出身
鍛治舍監督に憧れ、県岐阜商に入学。
1年夏(22年夏)の甲子園・社戦で登板
2年夏は岐阜大会4強
2年秋は東海大会ベスト8
3年春は東海大会出場
参考にしている投手は山本拓実(日本ハム)