【パリ五輪男子注目国】ドイツ代表「昨夏W杯初制覇…成熟したチームプレーで挑む優勝候補の一角」

AI要約

ドイツ男子バスケ代表は急成長し、ワールドカップ覇者であり、今回のパリ五輪でも優勝候補に挙げられている。

チームは速さ、高さ、組織力を兼ね備え、Cの指揮下で強力なチーム力を持つ。

シュルーダー、ワグナー兄弟などの主力選手を擁し、連続金メダル獲得を目指す。

【パリ五輪男子注目国】ドイツ代表「昨夏W杯初制覇…成熟したチームプレーで挑む優勝候補の一角」

7月27日から8月10日にかけて開催される「パリ2024オリンピック競技大会」。4年に一度の世界一決定戦を前に、バスケットボールキングでは今大会注目の男子ナショナルチームをピックアップした。今回紹介するのは、FIBAランキング3位(7月24日時点)でパリ五輪では日本と同じグループBに所属するドイツ代表だ。

文=小永吉陽子

 昨年のワールドカップ覇者であり、パリ五輪で優勝候補の一角にあげられているのがドイツだ。ここ数年のドイツは右肩上がりでチームケミストリーが高まっている。21年の東京五輪でベスト8入りを果たすと、22年にはユーロバスケット(ヨーロッパ選手権)で銅メダルを獲得。23年のワールドカップでは、8戦全勝で悲願の世界一へと駆け上がった。この5年間のFIBAランキングは22位→11位→3位と急上昇。東京五輪以後に指揮を執るCの下、速さ、高さ、組織力を兼ね備え、成熟したチーム力でパリに乗り込んでくる。

 チーム構成は、昨年のワールドカップで世界一になったメンバーから10人が継続。NBA選手が4人、ヨーロッパを主戦場とする選手が7人(うち、国内のバイエルン・ミュンヘンで活躍する選手が4人)。そして、7月に群馬クレインサンダースへの入団を発表したヨハネス・ティーマンという布陣だ。その中でチームの中心となるのが、司令塔のデニス・シュルーダー(ブルックリン・ネッツ)とワグナー兄弟の弟で、22歳の若さでエースを務めるフランツ(オーランド・マジック)だ。

 シュルーダーは速いトランジションとリーダーシップで勝利に導くドイツのエンジン。ワールドカップでは平均19.1点、9アシストで堂々の大会MVPを獲得。現在30歳を迎えて円熟味が増してきている。

 フランツ・ワグナーは208センチのオールラウンダー。ボールプッシュするハンドリング力や華麗なステップワークを持ち、ディフェンスも安定。昨年のワールドカップでは、初戦の日本戦で足を負傷して4試合欠場したものの、準々決勝から復帰。勝負となったラトビア、アメリカ、セルビアとの決勝トーナメント3戦で平均19得点、6.6リバウンドを記録。混戦を勝ち抜く原動力となり、これからのドイツを担う選手へと成長を遂げたのだ。

 また、昨年のワールドカップでホーバスHCが一番警戒していたのがシューターのアンドレアス・オブストだ。ユーロバスケット2022の3ポイント王で、ワールドカップでは44.7パーセント(17/38本)の高確率を叩き出している。7月19日に行われた日本との強化試合でも4/5本の3ポイントを決めている。さらには、フランツの兄のモリッツ(オーランド・マジック)、インサイドのダニエル・タイス(ニューオリンズ・ペリカンズ)らタレントも豊富。選手層の厚さと成熟したチーム力でワールドカップとオリンピックの連続金メダルを狙う。