阿部兄妹がパリへ出発 一二三「やり残したことはない」、詩「闘う覚悟を持って挑む」/柔道

AI要約

柔道の兄妹、阿部一二三と阿部詩がパリ五輪に出場する。兄は2連覇を目指し、万全の状態で臨む姿勢を見せる。妹もアウェー対策を行い、初の有観客の舞台に臨む準備を整えている。

兄は過去3年間無敵の戦績を誇り、足技にも磨きをかけて王者の地位を守る。兄は自分自身が最大の敵だと語り、準備を整えて自信を示している。

妹はアウェーの雰囲気に対応するため、練習試合で観客役を演じてもらうなど対策を講じている。兄妹は28日に出番があり、兄は「お互いを信じて最後まで闘い抜きたい」と強い意気込みを示す。

阿部兄妹がパリへ出発 一二三「やり残したことはない」、詩「闘う覚悟を持って挑む」/柔道

パリ五輪の柔道で2連覇を狙う男子66キロ級の阿部一二三(26)、女子52キロ級の阿部詩(24)=ともにパーク24=の兄妹が23日、羽田空港からパリへ出発した。一二三は「あとはやるだけ。相当仕上がっている」と、2021年東京五輪に続く、きょうだい同日金メダルの獲得に決意を示した。詩は〝アウェー対策〟を行ったことを告白。2人は大会3日目の28日に登場する。

最強の兄妹が、決戦の地に旅立った。兄の一二三は落ち着いた口調で万全をアピールした。

「日本でやり残したことはない。心技体がいい状態。あとはやるだけ。相当仕上がっている」

2人は同日金メダルを成し遂げた2021年東京五輪以降22、23年の世界選手権で連覇を達成するなど無敵を誇る。「敵はたくさんいるけど、一番の敵は自分自身だと思ってやってきた」と一二三。この3年、武器の投げ技だけでなく、足技にも磨きをかけ、絶対王者の地位を確固たるものにした。

調整は順調で、出発2日前の21日には鍛え上げた背中の写真を自身のX(旧ツイッター)に投稿。「練習でもいろんなことを想定してやってきた」と自信を示した。

一方、妹の詩は「気持ちを引き締めて闘う覚悟を持って挑むだけかな」と冷静に話した。

東京大会は無観客で実施されたため、詩にとっては初の有観客五輪。柔道人気が高いパリでは大きな盛り上がりが予想される。最大のライバルは地元フランス代表で、東京五輪銀メダリストのアマンディーヌ・ブシャール。対戦となれば、大歓声でコーチの指示が聞こえない可能性もある。

対策の一環として所属先の道場で前週、練習試合を行った。コーチ陣らに〝観客役〟を務めてもらい、アウェーの雰囲気を演出してもらったという。「最後は自分で考えた上で闘わないといけない。自分の意思を持ちながら(闘いたい)」。

2人の出番は大会3日目の28日。ともに決勝まで勝ち上がれば、先に登場する兄は「お互いを信じて最後まで闘い抜きたい」と力強く宣言した。(石井文敏)