成城、中高一貫校ならではのチームワークでシード校・修徳に粘りをみせる【24年夏・東東京大会】

AI要約

修徳が成城を9-2で下し、4回戦に進出した全国高校野球選手権大会東東京大会の試合を報告。

成城は修徳に2点を先取されるも、3回で逆転。しかし修徳がリードを広げ、結果的に7点差で勝利。

修徳は兄弟投手の活躍もあり、9回まで成城を抑え込んで勝利。チームは「成長し続けよう」という思いで上を目指している。

成城、中高一貫校ならではのチームワークでシード校・修徳に粘りをみせる【24年夏・東東京大会】

<第106回全国高校野球選手権大会東東京大会:修徳 9-2 成城>19日◇4回戦◇明治神宮野球場

19日は多くの学校は終業式となっているということもあり、全国的に試合はあまり組まれていない。しかし、参加校が多く球場の割り振りの苦労している東東京大会は、この日も試合が組まれていた。

神宮球場では、春の東京都大会ベスト8に残ったシード校の修徳が登場だ。3回戦からの戦いとなった修徳は、初戦で日比谷を10対0と5回コールドゲームで下して、シード校としての力を示しての進出である。

その修徳にぶつかる成城は2回戦で桜修館に8対1、3回戦では鷺宮に苦しみながらも3対2と勝利しての進出だ。成城は1885(明治18)年に陸軍士官学校を目指す生徒の教育機関として設立されたのが前身である。現在は、完全中高一貫の男子校として男子教育の伝統を生かして「伸び伸びと育てていく」という姿勢の学校でもある。

野球部は専用球場などを有しているわけではなく、中学と同じグラウンドを分けて使用。さらに他部との兼ね合いもあり、限られた条件の中でチームを作ってきていた。それでも、中高一貫の強みというか、六年間一緒にやってきたチームの結束の良さはベンチからも感じられた。

試合は序盤、バタついた。

修徳が、3番染田 棟煌選手(3年)の右中間三塁打などで2点を先取。しかし、その裏、修徳の先発築田兄弟の兄・駿翔投手(3年)が先頭打者に四球を与えてからリズムに乗れず乱調。失策もあって、この回に成城は3安打も出て同点とした。成城のひたむきな姿勢がもぎ取った2点と言ってもいいであろう。

修徳の荒井 高志監督は、2回からは同じ左腕の杉山 諒太投手(3年)を投入。何とか試合を整えた。そして3回、修徳は染田選手の右越ソロで勝ち越す。さらに、この回犠飛で1点を追加する。4回にも二死走者なしから齋藤 紘選手(3年)の三塁打と続く賀曽利 航生選手(3年)のタイムリー打で追加点。5回にも杉山投手自らの二塁打などで、さらに2点を加える。

こうして、じわりじわりと修徳がリードを広げていく。

それでも、成城はひたむきに追いかけていく。ベンチもよく声が出ている。ベンチが一丸となっているという雰囲気があった。

結局、9回に修徳がさらに2点を加えて、スコアとしてはコールドゲーム相当の7点差となったが、9回まで持たせた成城の粘り、食い下がっていく姿勢は大いに称えられるだろう。

修徳のマウンドは6回から築田兄弟の弟・駈翔投手(2年)が登板。「兄ちゃんがあまりよくなかったので、ボクがその尻拭いをしなくてはいけないと思いまながら準備していました」と言うが、4イニング、1安打無失点はまずまずの内容と言っていいであろう。

修徳の荒井監督は、「ちょっとバタついたところもありましたが、チームの感触としてはよくなってきていると思います。今年のチームは‟成長し続けよう”ということをキーワードとしていますが、その思いで上を目指していきたい」と、先を見据えていた。