【五輪あと6日】競泳平井瑞希、強さの秘訣「イス軸法」とは?

AI要約

17歳の平井瑞希が五輪競泳日本代表に選ばれる。彼女は100メートルバタフライで記録を更新し、メダル獲得を目指す。萱原コーチが彼女の特徴を解説し、独自のトレーニング方法について言及する。

平井は姿勢を重視した泳ぎを心掛け、イス軸法や和太鼓からヒントを得てトレーニングを行う。毎日中心軸を意識することで脱力ができるようになり、上達を実感している。

【五輪あと6日】競泳平井瑞希、強さの秘訣「イス軸法」とは?

 パリ・オリンピック(五輪)競泳日本代表に伸び盛りの17歳がいる。女子100メートルバタフライの平井瑞希(アリーナつきみ野SC)。6月に自己記録56秒33をマークし、池江璃花子(横浜ゴム)の日本記録56秒08を視界に捉えた。55秒台でのメダル獲得を目指す神奈川・日大藤沢高3年生は、萱原茂樹コーチ(50)と「いつも通り」の姿勢を貫き、五輪直前の代表全体合宿(フランス・アミアン)まで国内で調整。“街のスイミングスクール”を飛び出し、初の五輪で輝く。

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 平井の魅力は何か-。後半の強さが際立つが、萱原コーチは「特別な練習はしていない。ただ、最後まで無駄な力を使わない『姿勢』を維持して泳ぐ」と分析する。限られた環境でも、速さの追究は怠らない。22年春、武術系YouTubeで「イス軸法」を知った。すぐに創始者の西山創さんへ連絡し、今も岡山から定期的に招く。イスに1度座ってから立ち、体の中心軸を作るバランストレーニング。同コーチは「筋力で泳ぐ大人は水の抵抗を受けて失速する。力を使わずに、水を逃がさない場所を何百回も捉える。体を動かしながら、自分で軸をコントロールできるか」と、軸=姿勢を泳ぎに応用する。

 大東流合気柔術、和太鼓からも力に頼らないヒントを得た。「(500キロを3日で走った)飛脚もそう。日本人に合う技術を探すのが面白い」。毎日、泳ぐ前に中心軸を作る平井も「最初は脱力ができなかったけれど、最近は軸を取れている」と手応えを得ている。