日大三が強敵・国士舘を撃破！エース・谷亀が失点をカバーする1イニング2二塁打！【24年夏の西東京大会】

＜第106回全国高校野球選手権大会西東京大会：日大三9－3国士舘＞17日◇4回戦◇スリーボンドスタジアム八王子

日大三と国士舘は、昨夏は3回戦で対戦し、16―2の5回コールドで日大三が圧勝している。それだけに国士舘は、強い気持ちでこの試合に臨んだ。

その闘志を反映するように、1回裏3番・小椋 旭人外野手（3年）の二塁打で国士舘が1点を先制すると、5番・落合 伯三塁手（3年）の一ゴロが内野安打になると二塁走者の小椋が一気に本塁を突き、国士舘が2点を先制した。2回裏は四球で出た走者が1番・片倉 稜大遊撃手（3年）の適時打で還り1点を追加した。

日大三の先発・谷亀 和希（3年）は、「自分では緊張しているつもりはありませんが、どこか緊張していたのかもしれません」と語る。日大三は2回表に1点を返しているものの、試合は国士舘のペースで進んだ。

ところが3回が終わったところで雨が強まり、試合が中断。結局50分の中断となったが、「切り替えができたのが良かったですと日大三の三木 有造監督は言う。50分後に試合は再開するが、ここから試合の流れが変わる。

5回表日大三は9番の谷亀から攻撃が始まる。「先頭打者だったので、自分が打とうと思いました。真っ直ぐを引き付けて叩きました」と谷亀が言う打球は、左中間を破る二塁打になった。ここから死球や守備の乱れがあって、日大三が同点に追いつく。

一度火が付いたら一気に攻めるのが、日大三の強力打線だ。5番・岡本 弦士一塁手（3年）の二塁打や6番・西鍛冶 玄太捕手（3年）の三塁打などで逆転すると、さらに二死満塁で、またも谷亀を打席に迎える。「今度はつなぐことを意識して打ちました」という谷亀の打球はレフトオーバーの二塁打になり2人が生還。一塁走者も本塁を突いたが、これはアウトになった。しかし5回表に一挙6点を入れて日大三が試合の主導権を握った。9回表も岡本の本塁打などで2点を追加。終わってみれば9-3で日大三が勝った。

この試合完投した谷亀と、もう1人の投手である畠山 将豪投手（3年）だけが昨夏を経験している。「先輩たちの試合を観て、厳しさを感じました」と谷亀は言う。この試合で谷亀は序盤失点したものの、自分のバットで取り返すと、日大三内野陣の堅実な守りにも助けられ、安定した投球をした。

日大三は昨夏、国士舘に大勝して勢いに乗ったが、この夏の勝利も大きなポイントになるかもしれない。特に夏の厳しさを知る谷亀が、チームを引っ張る活躍をしたことは、今後につながるに違いない。