わが家は生活保護世帯です。中学生の息子の志望校が私立高校なのですが、やはり諦めるべきですか? 生活保護世帯の高校生が活用できる制度はありますか?

AI要約

生活保護世帯の子どもの高校進学支援制度について紹介。

公立高校への進学をサポートする支給額や私立高校への進学に必要な費用。

私立高校への通学助成金や自治体独自の授業料軽減制度について。

わが家は生活保護世帯です。中学生の息子の志望校が私立高校なのですが、やはり諦めるべきですか? 生活保護世帯の高校生が活用できる制度はありますか?

一般世帯の高等学校への進学率は、令和2年度には98.8%にのぼっています。生活保護世帯の子どもも高等学校へ進学できるように、さまざまな支援制度が用意されています。本記事で、主なものを紹介します。

義務教育である小学校・中学校については、生活保護制度から「教育扶助」が支給されますが、高等学校は対象になっていません。

一方、高等学校等への通信制を含めた一般世帯の進学率は、令和2年度には98.8%にのぼっており、高等学校へ進学することが自立のために有用であると考えられているとの判断で、「生業扶助」の「技能習得費」の一貫として「高等学校等就学費」が支給されています。

ただし、支給額は公立高校相当部分に限られています。私立高等学校に進学する場合、授業料が不足します。

また、修学旅行費、公立高校の相当額を超える私立高校就学費用、学習塾等費用、大学等の入学金・受験料・転居費用等、生活保護費から支給できない費用もあります。

令和3年度の学習費総額(学校教育費*と学校外活動費の合計)をみると、高等学校(全日制)の学習費総額は公立約51万3000円(うち学校教育費約31万円)、私立約105万4000円(うち学校教育費約75万円)となっており、お金のかかる私立高等学校に進学する場合は、国や自治体の支援策、アルバイトを活用する必要があります。

※学校教育費とは、授業料、修学旅行費、学校納付金、図書・学用品・実習材料費、教科外活動費、通学関係費 等です。

図表1

私立高等学校に通う生徒には、就学支援金制度(国)により最大39万6000円(年額)助成されます(所得制限あり)。支援金の助成方法は、授業料と相殺する形で行われます。さらに、保護者の負担を軽減するため、自治体独自の授業料軽減する制度もあります。

例えば、東京都の場合、所得にかかわらず、国の就学支援金と東京都の「授業料軽減助成金」(現金給付)を合わせて48万4000円まで助成しています。