【インターハイ展望Bブロック】勝ち上がりの軸となりそうなのはプレミアリーグ勢

AI要約

男子サッカー競技は2024年から2028年まで福島県で固定開催されることが決定。

プレミアリーグ勢を中心に注目チームが多く、AブロックとBブロックに分かれたトーナメントは激戦必至。

各校の注目選手やチームの戦術に加え、過去の成績や新体制の影響も大会の行方を左右する要素となる。

【インターハイ展望Bブロック】勝ち上がりの軸となりそうなのはプレミアリーグ勢

 今年のインターハイの各種競技は福岡県を中心とした九州北部地域で開催されるが、男子サッカー競技は2024年から2028年までの5年間、福島県での固定開催として実施。7月27日から8月3日にかけてJヴィレッジを中心とした6会場で熱戦が繰り広げられる。出場権を掴んだ52校は、改革初年度に相応しい多種多様な顔ぶれが並ぶ。トーナメントを4つのブロックに分けて、大会の見どころを紹介していく。

 Aブロック同様に注目チームが多く予想は困難だ。勝ち上がりの軸となりそうなのはプレミアリーグ勢。今年の市立船橋(千葉)はGKギマラエス・ニコラス(3年)やDF岡部タリクカナイ颯斗(3年)、FW久保原心優(3年)など昨年の選手権で国立の舞台を経験している選手が勝敗を分けるポジションに残っている。加えて、U-16代表の経験を持つ世代屈指のハードワーカーMF峯野倖(3年)も脳震盪の影響で欠場となった選手権の借りを返そうと燃えているのは間違いない。同じくプレミアリーグEASTに所属する尚志(福島2)もレフティーのMF髙橋響希(3年)を筆頭に尚志らしいサッカーセンスを持つ選手が揃う。「うちはいつも前が良い」と胸を張るのは仲村浩二監督で、FW千住澪央(3年)ら見所のある選手がアタッカーにはいるため、守備の安定感が増せば地元開催での栄冠も狙えそうだ。

 もう一つのプレミア勢である米子北(鳥取)はWESTでの戦いで下位に沈むが、圧倒的な身体能力を誇るDF樋渡蓮音(3年)やボールハントが光るMF柴野惺(3年)などパンチのある選手は揃っている。圧倒的な走力を生かした戦いや縦の速さは夏のトーナメント向きでもある。準優勝を果たした3年前の大会と同じように躍進を果たしても不思議ではない。

 3チーム以外にも実力校が名を連ねるのがBブロックの特徴で1回戦の神戸弘陵(兵庫)と帝京(東京1)は大会の行方を左右するカードになるかもしれない。神戸弘陵は昨年のインターハイで敗れてから、選手の意識がグッと向上。「青森山田のレベルに勝つために守備の意識だけでなく、筋トレ、食トレをみんながしっかり頑張ってくれている」。谷純一監督の言葉通り、持ち前の上手さにタフさも身に付いてきた。プロ注目のMF石橋瀬凪(3年)を含め、一見の価値ありだ。帝京も世代別代表の経歴を持つDF田所莉旺(3年)やFW森田晃(3年)ら注目株が揃う。2年前のインターハイは目の前で優勝が迫りながらも準優勝。藤倉寛監督の下、新体制となった初年度に新生・帝京をアピールできるか注目だ。

 このブロックでもう一つの注目カードは近江(滋賀)と徳島市立(徳島)だ。近江は選手権準優勝を果たした昨年を知るのはGK山崎晃輝(3年)など数名。1からのチーム作りを余儀なくされ、思い切って持ち味を出し切れない試合も目立つ。ただ、技術力の高い選手は今年も揃っており、FW山本諒(3年)のパワフルさを生かしながら2024年バージョンのチームを見せてくれそうだ。対する徳島市立は各所に昨年からの経験者が揃い、チームスタイルの浸透が進む。「チャンスは作れているのであとは決め切れるかどうか」と話すのは河野博幸監督で、プリンスリーグ四国で早くも二けた得点を記録するMF山口凜太朗(3年)らの出来に期待がかかる。

 プリンスリーグ関東2部で首位に立つ山梨学院高等学校(山梨)も主将のMF山田逞人(3年)を筆頭に実力者が揃う好チーム。今年からAチームでの出場時間を伸ばすFWオノボ・フランシス日華(2年)もブレークの予感が漂っている。国見(長崎)も堅守を武器にベスト4まで進んだ昨年とは違う攻撃が売りの面白いチームに仕上がっている。FW門崎健一(3年)と西山蒔人(3年)は大会でも上位に入る2トップで、力を発揮できれば2年連続での躍進もあり得る。

 その他にもU-17高校選抜のMF笹修大(3年)擁する札幌大谷(北海道2)、予選ではDF木下空(2年)の攻守両面での活躍が光った富山第一(富山)も力はある。アスリート能力の高さが注目を集める東邦(愛知)のDF伊藤洵太(3年)や那覇西(沖縄)の大型ボランチMFチメズ・ビクター・チュクンマ(3年)など注目株も多く、見所十分なブロックだ。

 (文・写真=森田将義)