タイブレークから2度追い付かれ… 苦しんだ末に千原台が接戦制す【高校野球熊本大会】

AI要約

千原台が12回の激闘を制し、3回戦進出を果たした。

山口祐昂が投打で勝利を導き、タイブレークでの勝利に貢献した。

山口は熊本県天草市出身で、不屈の根性で次戦への決意を示している。

タイブレークから2度追い付かれ… 苦しんだ末に千原台が接戦制す【高校野球熊本大会】

 ◆第106回全国高校野球選手権熊本大会2回戦 千原台9―6(延長12回)熊本西(16日・リブワーク藤崎台)

 千原台が熱戦を制して3回戦進出を決めた。

 1―1のままタイブレークに突入。10回表に代打の高木陽斗(3年)の3ランが飛び出し3点リードしたが、その裏に追い付かれた。さらに11回に2点を勝ち越したが、再び追いつかれた。2度のリードにも追いついてくる熊本西の粘りにも負けず、12回に3点を勝ち越すと、その裏は無失点でしのいだ。西田尚巳監督は「選手には、相手に負けないぐらい練習してきたから根性では絶対に負けないと言っていました。最後は気持ちだけ。執念ですね」と3時間19分の熱戦の末に粘り勝ちした選手たちの気持ちの強さをたたえた。

 4番山口祐昂(3年)が投打で勝利のキーマンとなった。12回に2点を勝ち越した後、2死一、二塁から左前適時打を放ちダメ押しとなる3点目をあげた。投げては11回に4番手で登板。11回は同点にされてしまったが、勝ち越した後の12回は無失点に抑え、長い戦いに終止符を打った。

 中学時代までは投手だった山口は「これまでもマウンドに上がることはあったけど、タイブレークでの登板は初めてで緊張しました。勝ててホッとしています」。ゲームセットの瞬間は力が抜けて、膝に手を置いて下を向いてしまったほどだった。

 山口は熊本県天草市牛深町出身。牛深東中では前校生徒が74人という小規模な学校で、3年生27人中11人が野球部だったという。西田監督に誘われて千原台に進み、現在は西田監督の自宅で下宿生活を送る。「掃除とかをサボって怒られてばっかりです」と山口は下宿生活について話すが、西田監督は「精神的にも成長しました」と目を細める。

 3回戦はシードの九州学院と対戦する。山口は「4番としてチームの勝利に貢献できるようなバッティングがしたい」と次戦の活躍を誓った。この日見せた不屈の根性で、2016年以来となるベスト8進出を目指す。