驚異の粘り、タイブレークで2度同点に 最後は好守に阻まれた熊本西
熊本西が驚異的な粘りを見せ、連続して相手に追い付く展開が続いた。
村上選手の活躍やチームの信頼感が勝利に繋がった瞬間が描かれている。
横手監督からの期待に応えることができたチームの戦いが終わり、感慨深い瞬間となった。
(16日、第106回全国高校野球選手権熊本大会2回戦、千原台9―6熊本西)
離されても離されても食らいつく。熊本西は延長十回、十一回とタイブレークで2度、相手に先行されても追い付く驚異的な粘りを見せた。
十回裏2死二塁。4番打者の村上天将(てんま)選手(3年)に打順が回った。その回の表で相手に代打3点本塁打が飛び出し、突き放されたが、1点差まで追い上げていた。ベンチは「行ける。追い付き、逆転できる」というムードで、村上選手も楽な気持ちで打席に入った。走者をかえすことだけを考え、直球に狙いをつけた。右中間へはじき返し、同点の適時二塁打にした。
3点を追う十二回裏、2死一、三塁でこの日6度目の打順がめぐってきた。「ここも決めよう」と強く振り抜いた。三遊間に飛んだライナーは相手の好守に阻まれ、大熱戦は終わった。「西高の4番はお前だ」。横手文彦監督や仲間から託された信頼には応えられた気がした。(吉田啓)