フロンターレ時代の先輩が参考、刺激に。帝京の187cmCB田所莉旺は勝利のため、「追いつく」ための挑戦が結果に

AI要約

神栖ワールドユースフットボール決勝で帝京高と前橋育英高が激戦を繰り広げた。大型DF田所莉旺が無失点勝利に貢献し、先輩達の影響を受けながら守備の進化を遂げている。

田所は攻撃意識も持ちつつ、守備面での成長を自覚。特に高井幸大からの刺激を受け、選手としての成長を目指す姿勢が見受けられる。

全国舞台での挑戦を控える田所は、チーム全体の勝利を優先し、個人としてもアピールをしたいと意気込む。結果を残しチームを引っ張る姿勢が強調される。

フロンターレ時代の先輩が参考、刺激に。帝京の187cmCB田所莉旺は勝利のため、「追いつく」ための挑戦が結果に

[7.15 神栖ワールドユースフットボール決勝 帝京高 0-0(PK5-4)前橋育英高 神栖市海浜サッカー場B]

 フロンターレ時代の先輩たちを参考、刺激に、大型DFが進化を遂げている。帝京高(東京)DF田所莉旺(3年=川崎フロンターレU-15出身)は、「第1回神栖ワールドユースフットボール」決勝で無失点勝利に貢献。尚志高(福島)との準決勝同様、「やられた」と思うようなシーンで187cmの大型CBが2度、3度と相手を止め切っていた。

 田所は、「元々、自分は結構攻撃が好きで、攻撃で違いを生みたいっていう意識はあったんですけど」という。ボールを支配しながら主導権を握る帝京において、田所の精度の高いロングフィード、サイドチェンジは攻撃のアクセントに。その一方、守備面ではコンビを組むCB畑中叶空(3年)のカバーリングに助けられていることが多いと本人は感じていた。

 6月のインターハイ出場権獲得後、プリンスリーグ関東1部の強敵などと対戦する中で「自分がもっと守備やらなきゃ、(全国大会では)勝てないな」と実感。これまで強度の高い相手と戦うと、守備の際で寄せるタイミングがわずかにズレていたという。そこで躊躇せずに行き切ることを意識。それが相手を止める回数の増加に繋がっているようだ。

「ボール奪う瞬間の参考は、ポジション違うんですけど、MF由井航太(現川崎F)を結構見てて。フィフティフィフティのボールに突っ込んでみるとか、行き切ってみるっていうところを結構参考にしています」。U-19世代屈指のボランチ、由井は川崎Fのアカデミー時代の先輩。動画サイトなどで由井のプレー集を見るなど彼のプレーを思い返し、取り入れたことが成果として表れている。

「自分はあんま身体能力高いと思わないんですけど、予測と判断のところでカバーできるかなって思ってから夏チャレンジしていたことが、ちゃんと結果に出て良かったです。この大会(第1回神栖ワールドユースフットボール)で、ほんと守備で結果が出せるシーンが多かったかなっていうのは、自分としては成長できてきてるのかなっていう風に思います」と頷いた。

 その田所は、パリ五輪日本代表に選出された先輩DF高井幸大(川崎F)からも刺激を受けている。「やっぱり高井(幸大)さんがパリ入ったのを見て、『こうなりたいな』っていうか、やっぱ2個上でずっと一緒にやってた人が本当にもっと上に行ってるっていうのを感じて。『追いつくためには』って考えた時に、やっぱり守備で予測と反応のところの差があるなって自分で感じたんで、そこ(に改めて取り組み始めたの)はほんとに先輩のお陰というのがありました」。攻撃面では自分が先輩を上回っているという自負もある。田所は川崎FのU-12、U-15を経てU-18チームへ昇格。その後、帝京へ転入してきた元U-16日本代表DFは、成長を続けて高井に追いつく意気込みだ。

 今月27日からは昨年の帝京加入後、初めてとなる全国舞台に挑戦する。「もう入ったときは(夏冬)4回日本一取れるなと思ってて。(だが、2023年は夏冬ともに全国出場を逃し、)去年1年で2つ消えちゃって、ほんとスタートラインに立てたって感じです。(神栖でも歓迎されていた)カナリアのユニフォーム着て全国大会出れるってことを嬉しく思うとともに、やっぱ勝たなきゃいけない。そのプレッシャーにチーム全員で勝てればなっていう風に思います」と力を込めた。

 個人としても、色々な人々へのアピールの大会になる。「やっぱり色々な方が見てますし、ほんとにチームの結果次第で自分の見られ方っていうのも変わってくるなって思ってますし、やっぱり後ろの選手として、全国でもほんとに上の方の選手なんだなって思われるような大会にしたいと思ってるんで、チームの勝利を優先して、そこに自分の活躍が乗ってくればいいかなっていう風に思っています」。インターハイは初戦から強力攻撃陣を擁する神戸弘陵高(兵庫)との戦い。注目の大型DFが進化を示し、帝京に多くの白星をもたらす。