リングの下 チームメートで婚約者 愛する人とパリ五輪へ

AI要約

オーストラリア女子代表がバスケットボール3人制のパリ・オリンピック予選で優勝し、五輪出場権を獲得した喜びを語るアネリ・マレー選手。

同性婚が合法化されたオーストラリアで、マレー選手はパートナーとの絆を大切にし、若者に愛を伝えるメッセージを発信。

婚約者でチームメートのマレナ・ウィトル選手と共に五輪初出場に向けて精進し、チームとしての結束も力になっている。

リングの下 チームメートで婚約者 愛する人とパリ五輪へ

 「オーストラリアバスケットボールの歴史を刻めたのは誇り」

 宇都宮市で5月に行われたバスケットボール3人制のパリ・オリンピック予選。大会で優勝し、五輪出場権を獲得したオーストラリア女子代表のアネリ・マレー選手(25)は興奮冷めやらぬ口調で語った。

 息の合ったプレーで五輪切符をつかみ、コートでは4人の選手とコーチたちが抱き合って喜んだ。「フィアンセと一緒に決められて本当によかった」と話すマレー選手はMVP(最優秀選手)に輝いた。

 チームメートで婚約者のマレナ・ウィトル選手(30)とはキスで喜びを分かち合った。「どんな環境にいても自分自身でいる、そういう事例に自分たちがなれればと思う。愛したい人を愛することができないなんて誰にも言うことはできない」。それもプロのアスリートとして届けたいメッセージだという。

 オーストラリアでは2017年に同性婚が合法化されている。アジアでは台湾やネパールで法制化されており、タイでも年内に法律が施行される見通しだ。「日本の若い人たちにも、とにかくパートナーを愛してほしいし、それで人としての価値が下がることはないと伝えたい」と話す。

 一緒に暮らす2人は「お互いに選手としてバスケットのためにささげるべき事が何かを理解している」。練習やトレーニング以外でも支え合えることはプラスになっているという。チームも家族のように密にコミュニケーションが取れていると胸を張る。

 今夏、この種目では同国初の五輪に挑む。マレー選手は「(宇都宮の)このコートで歴史を作った。パリでも歴史を刻み続けたい」と話した。【和田大典】