3馬身半差の圧勝劇で秋盾が目標に…ホウオウビスケッツと完璧すぎた岩田康騎手/函館記念

AI要約

ホウオウビスケッツが函館記念で圧勝し、岩田康誠騎手の導きで重賞初制覇を果たす。

馬の成長や調教師、騎手のコメントを通じて、将来の期待が高まる展開となった。

次なる目標は10月27日の天皇賞・秋であり、馬のパフォーマンスに期待が寄せられる。

<函館記念>◇14日=函館◇G3◇芝2000メートル◇3歳上◇出走16頭

 3番人気ホウオウビスケッツ(牡4、奥村武)が岩田康誠騎手(50)に導かれ、2番手から抜け出して重賞初制覇を飾った。

 巴賞からの連勝は05年エリモハリアー以来19年ぶり。今後は10月27日東京の天皇賞・秋(G1、芝2000メートル)がターゲットとなる。

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 混戦の下馬評を覆す3馬身半差の圧勝劇に、最終日に詰めかけた函館のファンから大きな歓声が上がった。ホウオウビスケッツは逃げるアウスヴァールから離れた2番手を追走。3角過ぎからスパートをかけると後続はついて来られない。独走でゴールに飛び込んだ。岩田康騎手は「本当に函館に来て良かったと思います」と責任を果たして表情を緩めた。「行く馬が分かっていたので、後ろと決めていた。最終日でも馬場が良くて走りやすい。セーフティーリードで後ろに脚を使わせるレースができたのが良かった」。

 荒ぶる気性で折り合いに課題があった。それがベテランと4戦続けてコンビを組むうちに、人の意思をくみ取れるようになっていた。前走から着けたメンコの効果もあった。この日も「2コーナー過ぎでは落ち着いてくれた」。

 鞍上はこの馬のために函館に滞在したといって過言ではない。巴賞を勝たなければ、賞金不足で出走さえできなかった。賞金加算が絶対の前走は、なりふり構わない逃げ切りで賞金を積んだ。ここ一番で決める。それが岩田康誠。2連勝は完璧すぎた。

 3歳時は3戦目のスプリングSで2着、皐月賞17着の後、ダービーでは直線先頭の見せ場をつくって6着。「すごくいい馬だと思っていたし、もっと大きい舞台に行ける馬」と期待は膨らむ。

 奥村武師は秋の目標に天皇賞を挙げた。6月5日の遅生まれが大きく成長した4歳の夏。いよいよ軌道に乗ってきた。【岡山俊明】

 ◆ホウオウビスケッツ▽父 マインドユアビスケッツ▽母 ホウオウサブリナ(ルーラーシップ)▽牡4▽馬主 小笹芳央▽調教師 奥村武(美浦)▽生産者 岡田スタツド(北海道新ひだか町)▽戦績 10戦4勝▽総獲得賞金 1億2507万円▽馬名の由来 冠名+父名の一部